玲於奈、消失

 愛は寝かせてくれなかった。


 勘違いするな。別にエロいことをしていたわけではない。ただ単に遊んでいただけだ。テレビを見たりゲームをしたり、深夜テイストの番組を見たり。

 愛がどうしてそんなに元気なんだっていうくらい元気だったので結局一睡もできなかった。おてんとさんがカーテンの隙間から差し込んできてようやく徹夜したことに気付いたこの体たらく。


 貴重な休日を惰眠に費やすのは人生損してる気がするが俺の体は睡眠を強制してくる。三大欲求の中では睡眠欲が最強だ。性欲と食欲はある程度我慢できるけど眠気には対しては完全降伏。どこの無敵艦隊だよ。

 というわけで愛が帰った後はずっと寝ていた。土日は家にこもってのんびりしていた。


 これがいけなかった。

 玲於奈でも誘って健康的に遊んでいたらよかったのだろう。そうすればもっと早く異変に気付くことができた。

 後悔しても遅い。


 玲於奈の消失。

 知ったのは、週明けの月曜日だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る