第2話

ふたりとも仕事はうまくいっていた。しかし、何か満たされないものが胸の中にいつも居座っていた。そんなふたりの連絡手段は「電話とメール」。仕事に拘束されない時間は、朝起きてから寝るまでずっと電話で会話していた。モーニングコール、今朝の体調、仕事の報告、愛のささやき・・・。


「世の中便利になったもんだな。」

「そうね、電話とメールがあるから私たちなんとかやっていけてるもの。」


そう、強がりを言って寂しさを吹き飛ばす日々を送っていた。

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