14 潜入!マンクス製薬ビル
駅前にどーんとそびえ立つマンクス
マンクス
「ほんとにみんな眠ってるんだな…」
ゆすってもたたいても
「パパはどこだ?」
「ええと、
エレベーターホールの
わたしたちはまず14階で下りた。電気が消えていて
「今日は日曜日だから会社は休みなんだろう?」
「うん、でもパパは昨日からトラブルで帰れないって。だから他にも
「わかった。
「おぉーい! こっち!」
コタツが大きな声で
「だいじょうぶですかー? おーい起きろよー!」
ゆっさゆさしても、顔をペチペチしてもダメ。おじさんは半口を開けながら気持ちよさそうに
「いすから落としてみるか?」
「やめとけよクロツキ! いい
14階にこのおじさん以外はいなかった。
15
しかも
だんだん
それでもコタツもクロツキも
ついに20階。これが研究室の最後のフロアだ。エレベーターを下りると、今までとはちがう。ぽつぽつついていた
「それに人の
「起きてくださいよー!
男の人の声。永山って言った!? きっとパパがいるんだ!
「パパ! パパッ!」
コタツの声の方へダッシュして
「パパッ! 起きてよ! 大変なの、ママが起きないの! ねえ聞いてよパパ!」
でもやっぱりゆすってもダメだ。せっかくここまで来たのにパパも同じだなんて、じわっと
「あれ、
となりで
そういえば見覚えがある。パパの
「ヨシッチ?」
「そうそう!
「凛花ちゃんがここまで来るなんてどうしたの?」
「あのね、昨日からママが
「お母さんが? もしかしてお母さんだけじゃなくて他の人もそうなのかな?」
「うん。外を歩いている人がいなくて、
「やっぱりそうか…、大変なことになってしまった」
「やっぱりって何? 何が起こっているか知ってるの? もしかしてパパがしたことなの!? ねぇ教えてよ!」
わたしはヨシッチの
パパが悪いことをしているなんて思いたくないのと、やっぱりという気持ちが
「うん、説明するね。おじさんたちのグループが作った
「ところが
「欠陥って?」
「おもちゃで言う
日本全国で売れまくってるのを
「もしかして、みんな起きないのはスッキライザーZの
「たぶんそうだ。何かのミスで、おじさんたちが
顔をしかめてヨシッチは続ける。
「ほんの少し
「全部ないの? それって
そこでわたしにまた
「「
「うん、その通り。こんなことができるのは会社内の人間だけだ。けどそれを話し合っているうちにみんなだんだん
「ヨシッチはどうして眠くならなかったの?」
「おじさんは開発者だけどスッキライザーZを飲んでないんだ。毎朝五時起きでマラソンしてるから、飲む必要なくてさ。
「うん。わたしも早起きは
「そっか。一体、会社内のだれがどんな
ヨシッチはそう言って立ち上がる。
「パパは…、わたしのパパが作り方を変えたんじゃないよね…?」
「ちがうよ。お父さんは十五年かけてスッキライザーZを作ってきたんだから、こんなことは
わたしの
「コンピュータのバックアップデータを探してみようと思う。あと
「パパもママも
「工場で使われていた
「わかった。がんばってねヨシッチ」
するとずっと聞いていたクロツキが口を開く。
「このビルの中にネコはいませんか?」
「ネコ?
ヨシッチは首をかしげた。
「じゃあ、おじさんは行くよ。動ける大人がなんとかしないとな!」
「おれたちは地下二階へ行こう」
わたしはうなずいた。
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