初恋の人とずっと一緒にいるために、恋するのをやめました

吾妻ワタル

プロローグ


 新雪を踏む


 彼は誰時に一人


 昨夜降った雪は夜のうちに止んで


 雲の隙間からは藍の空が覗く


 今日は屋根も道路も街路樹も白い


 降った雪はどれにも等しく積もって


 上から見下ろすと白い箱が沢山並んでいる様


 その風景を目に焼き付ける


 色が無いからこそ美しい


 街の向こう


 遠くに視える海と空の境を探す


 その空と海の色が少しずつ


 変わっていくのを見たい



 変わる姿をみたい


 

 ーーもうすぐ夜が明ける



《冬はつとめて》

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