第26話 な…、中指。

 ゼクシィを見終えて気になった所を何度か見返した結果、ホテル春山荘東京をフォトウェディングの第一候補に選んだ。広い敷地でホテル内はもちろん庭園でも綺麗な写真が撮れそうだ。取り急ぎ予約フォームで希望日時を入力し、見学と説明を聞かせてもらうことにした。


 今日は職場で部を超えた連絡会議がある。俺達の企画設計部と営業部、総務部の3つが決算後の来年度上半期の事業をどのように進めていくか協議する場だ。我が社は9月末決算なので、6月頃に開かれることが多い。おおよそ半年に1回だが、年に1回の時もある。企画の俺達は営業に「もっとましな仕様の仕事を取って来い」と言うし、営業は俺達企画に「せっかく仕事を拾って来たんだからコンペで全勝しろ」と言ってくる。そして総務は、企画と営業双方に「残業と出張旅費の節減」を要求してくるが、企画と営業は「経費をケチって良い仕事ができるか。」とこちらも噛み合わない。三者三様でそれぞれに言い分があるのだ。

 この会議は全員ではないが、創業メンバーの五十鈴社長、企画の日野部長、営業の松田部長、総務の大阪部長以下、各部のチーフや大半の職員が出席して議論する。この会議での“名物”が企画設計部半田チーフ、つまりナオさんと、営業部竹田チーフ(カイト先輩)の口論だ。例年なら竹田チーフは「行政はIT化が遅れている。どんどん進出して仕事を取るべきだ。」、「行政の仕事を一度取れると次にも繋がりやすい。」と主張し、行政嫌いのナオさんが「行政の出す仕様書は内容が滅茶苦茶な上に平気で変更してくる。」、「あんな連中は信用できないから中小企業の業務効率化等のお手伝いをすべきだ。」と反論する。双方とも頑固で負けず嫌いだからどんどんエスカレートし、「半田」、「竹田」と呼び捨てにしながら激しい口論となる。ナオさんとペアの俺と、カイト先輩とペアの若狭コウジが双方のチーフを宥めようとする中、周りの人間は二人のやり取りを面白がって見ているのだ。しかし、今年の会議は少し様子が違った。


 「営業部としては例年申し上げているとおり、市町や都県等の行政の仕事を1つ1つ丁寧に形にするべきだと考えている。企画の皆さんも仕事を選ばず、手を抜かずにやってくれ。」とカイト先輩が企画設計部を挑発する。いつもならナオさんが「誰がいつ仕事を選んで、手を抜いたのか言ってみなさいよ。大体、仕様の内容もしっかり確認せずに子供のお使いみたいな事をしておいて、仕事した気にならないでほしいわ。」と反論するところだが、

 「我々も一生懸命やっているつもりですが、営業部の皆さんが取ってきた仕事のいくつかを落としてしまい、申し訳ありません。ただ、例えばH市の時のように急な仕様変更や、委託額とスペックが合わない案件等があったことはご理解ください。」とナオさんが対応すると、カイト先輩はキョトンとしている。

 「そんなのは言い訳だろう。最初にシステムやアプリの立ち上げの仕事を取れれば、継続的な仕事になって長い目で見れば利益が出る。」とカイト先輩が追撃してきたが、

 「竹田さん。…そうなれば良いですけど、行政の言うことはコロコロ変わりますし、継続して仕事が回ってくる保証なんてどこにもありませんよ。」と、それでもナオさんが笑顔で穏やかに答えたものだからカイト先輩は肩透かしをくらい、会議の終盤は調子が狂って頭を掻きむしっていた。

 鈴木先輩はナオさんの隣の席でクスクス笑っている。


 会議後、カイト先輩は俺に

 「オイ、ユウジ。女も30過ぎて処女だと魔法が使えるのか?半田のキャラが変わり過ぎだろう。」とからかってきた。ナオさんは恋愛関係で浮いたウワサが無く、プライドが高い上に怒ると怖いので「実はまだ処女ではないか」とまことしやかに言われている。

 「竹田君、それセクハラよ。」と近くにいた鈴木先輩がツッコミを入れた。

 「すいません。でも「竹田さん」なんて『女王様』から嫌味ででも言われたこと無いですよ。」

 「確かにね。私も誰が半田さんに魔法をかけたのかは興味があるわ。刈谷君は何か聞いている?」と笑っていた。

 「いや~半田先輩、機嫌が良かったんですかね~?」ととぼけておいたが、いずれ会社にも俺達の関係や結婚を報告しなければならない。コウジは俺とナオさんの秘密を内緒にする約束を守ってくれていた。

 

 その日は比較的早く仕事が終わり、二人バラバラ退社して帰宅した。ナオさんが途中買い物をして帰ってきたので、俺より後に帰ってくる。

 「ただいまー。」

 「おかえりなさい。荷物持ちますよ。」

 「ありがとう。お魚とかヨーグルトとか冷蔵庫に入れといて。」

 「はい。」

 俺は荷物を預かり冷蔵庫やストックスペースに食材や品物を片付ける。その間ナオさんはトイレに行った後、冷蔵庫にあるペットボトルの水を飲んでいた。

 「少し落ち着きましたか。」ナオさんの横に立って声をかける。

 「うん。今日もお疲れ様。」

 「じゃあ、このままエッチしましょう。ナオさんが前に言っていた、俺がナオさんを滅茶苦茶にする“ごっこ遊び”をやりたいです。」

 「ははは。シャワー前だけどいいの?」

 「はい。むしろオフィス姿のナオさんとしたいです。…ショーツ見ますよ。」ナオさんの黒のフィッシュテールスカートをゆっくり捲り上げると、薄い水色のショーツだった。

 「お風呂上りだと思っていたから、まだYesかNoか考えていなかったけど、いいよ。恥ずかしがったり、嫌がったりするフリをすると思うけど、気にせず襲ってね。ユウジ君もこの前みたいに真面目にやってよ。」ナオさんもサラッとすごい事を言っている。

 「もちろんです。服を皺にしたり汚したりするかもしれませんけど、後でクリーニングに出しますから許してください。」

 「良いわよ、好きにして。」スカートの裾を直しながら、ナオさんが笑顔で答えてくれた。


 ナオさんがペットボトルを冷蔵庫へ戻し、リビングに歩き出したのを俺が後ろから抱き着く。

 「ちょっと、何するのよ。…離して。」ナオさんが俺を振り払おうとする。

 「男の一人暮らしの部屋にノコノコ上がって来たんだから、先輩だってそのつもりだったんでしょ?」

 「そんな訳ないでしょ。刈谷君が相談したいことがあるって言うから…。」抱き着いていた腕をナオさんの胸に移し、白のレースブラウスの上から胸を揉みしだく。

 「ちょっと。止めなさい。…何なのよ、私帰る。」

 「終わるまで帰しませんよ。」右腕でナオさんを強く抱きしめ、左手でブラウスの裾をスカートから引っ張り出し、下からブラウスの中に腕を入れてブラ越しに胸に触る。

 「いや、本当に止めて。」嫌がり抵抗するナオさんの手を避けながら今度はスカートを腰の位置までまくり上げて、右手を両ももの間に滑らす。

 「先輩も興奮しているんじゃないですか?湿ってますよ。」

 「そんなわけ無いでしょ。何の冗談よ?」

 「冗談じゃないですって。先輩だって長期出張や長時間残業ばかりで男がいなくてご無沙汰なんでしょ?俺も3年近くご無沙汰なんで、お互い楽しみましょうよ。」ショーツ越しに指でクリを刺激するのを続けていると、染みてくるくらい濡れているのが分かる。

 「バカにしないで。私に彼氏がいるかいないかなんて、あんたには関係ないでしょ。」

 「俺には関係あるんですよ。先輩に仕事で振り回されて、全然女が出来なくて欲求不満なんですから。俺のために一肌脱いでくださいよ。」クリを刺激していた手を再度ナオさんのブラウスの中に突っ込み背中のホックを外すと、ナオさんは「きゃ」と言いながら身体を捩った。

 「私はあんたの上司なのよ。調子に乗っていると査定をボロボロにしてクビにするわよ。」

 「ごちゃごちゃうるさいなぁ。やらせろって言ってるだろ。」ナオさんをやや乱暴に床に押し倒しマウントポジションを取る。ナオさんのお腹の上に跨って座ったまま自分のシャツとTシャツを脱ぎ、ベルトを外してズボンとパンツも脱いだ。

 「お願い。冗談ならもう止めて。本当に笑えないから。」服を脱いでいく俺を見ながらナオさんが嘘泣する。

 「先輩、ほら俺のモノが勃ってるのを見てくださいよ。俺本気ですよ。」

 「ねえ、他の事なら何でもするから、…我慢するから。入れるのだけは止めて。」

 「へえ~、何でもしてくれるんだ。先輩もその気になる様に、まずは俺が先輩の一人エッチを手伝ってやりますよ。いつもしてるんでしょ?」

 「え、そんな事は…。」

 「嘘をつくな。少しいじっただけですぐに濡れたんだから、絶対やってるだろ。いつもどうやって自分を慰めてたのか言えよ。」

 「さっきまで刈谷君がやったように指で撫でていました。」ナオさんが憮然とした態度で言う。俺はナオさんの上から降りてナオさんの下半身の方へ座り、スカートをまくり上げて強引にショーツを脱がせた後、ナオさんの足を肩幅に開いて人差し指でクリをいじり始めた。

 「よく濡れていますね先輩。音がしていますよ。」俺はナオさんの足の間に座り直し、正面からナオさんのクリいじりを続ける。

 「ほら、これで終わりじゃないだろ。どの指を中に入れているんですか?」

 ナオさんは少し躊躇った後、恥ずかしそうにほとんど聞こえないような小さな声で「な…、中指。」と答えてくれた。

 「男に触られるのは久しぶりだろ?何年ぶりだよ?」ナオさんは悔しそうな顔をしながら、俺が中指を立ててゆっくり穴に差し込むのを耐えていた。

 「ははははは、いつもこうやって慰めていたんだ、かわいそ~。でも、相当やってるでしょコレ。指がスルスル入りますよ。」指を小刻みに出し入れしてやる。ナオさんはしばらく俺の指の刺激を我慢していた。

 「もう満足したでしょ。これで終わり。」体を起こして俺の手を止めようとするナオさんの両肩を手で押さえつけ、上から覆いかぶさる。

「終わるわけがないだろ。」睨みつけてくるナオさんの首筋を肩の方から耳の方へ舐め上げた後、ブラウスもまくり上げ、緩んだブラの隙間から胸を揉み、乳首を舐めてやる。

 「はぁー、生の女の胸って柔らかいっすね。久しぶりだわ。」

 「イヤッ。」と言い困り顔のナオさんだが、乳首は硬くなり弾力がある胸は舐めごたえがある。シャツをさらに上にはだけて脇も舐めてやると、恥ずかしそうに左右に身体を捩り細やかな抵抗をしてくる。

 「ちょっとバカ、どこを舐めてるのよ。汗かいてるよ。」

 「そうですね。少し蒸れて汗臭いし、しょっぱい。」と文句を言ってやりながら、ナオさんの上半身を舐めまわしてやった。

 「よし。じゃあ入れるか。」俺は身体を起こし、ナオさんの股間に座り直して正常位の準備をする。

 「止めて。今止めてくれたら今晩の事は無かったことにしてあげる。会社にも誰にも言わないから。…お願い、入れるのだけは本当に止めて。」ナオさんは涙目で俺にお願いしてくる。

 「いいじゃないですか。お互い久しぶり同士、気持ちよくなりましょうよ。先輩も中途半端なままだと欲求不満になるでしょ。」

 「そんなことない。今すぐやめて。…赤ちゃんできちゃう。」

 「ははは、…まあ遊びで妊娠させるのはさすがに可哀想か。「責任取れ」って言われるのも面倒だし。ゴム取ってくるから大人しく待ってろよ。」

 俺が鼻歌交じりにゴムを着けている間、ナオさんは上半身を起こし左手で胸を隠し、右手でスカートの裾を伸ばしている。

 「ほら、いい加減にあきらめろよ。」ナオさんを再度床に押し倒し、スカートをお腹の方までまくり上げると、「きゃ」と右手でアソコを隠そうとするが、その手を払いのけて下半身丸出しにする。

 「ねえ、実は私、初めてなの。処女なの。遊びで処女なくすのも可哀想でしょ。止めてよ。」

 「嘘つけ、そんなわけないだろ。」俺はナオさんの嘘を聞き流し、モノをナオさんのアソコにあてがい、一気に入れる。いつもどおりにゅるんと入った。

 「痛い、痛い、そんな大きいの入らないって。…裂ける。止めて。」手をこちらに伸ばして俺の身体を押し戻そうとするが、関係なしに体重をかけてねじ込む。

 「何が処女だ。知るかよ。」わざとモノを激しくピストンさせていると、ナオさんがいつものように気持ちよさそうな表情になって、「ぁ、ぁ、ぁ」と可愛い喘ぎ声を出した後、イった。


 一旦動きを止めてナオさんに話しかける。

 「気持ちよかったですかニセ処女さん?」

 「あれ?やっぱりイったのバレた?」

 「ははは。」

 「ほら、ユウジ君もイって、3年ぶりなんでしょ?」と笑った後、“あっかんベー”をされた。


 しばらくナオさんと正常位を続けていると俺も気持ちよくなった。

 「ああー、俺もイキそう。」

 「ちょっと、汚いのを中で出さないでよ。離れなさいよ。」ナオさんが睨みつけて語気を強める。

 「うるさいなぁ。」俺は自分から身体を離してゴムを外し、自分でしごきながら横たわっているナオさんに射精してやった。まくり上げたスカートの裏地やレースブラウス、素肌のお腹に精液が飛ぶ。

 「ひどい。最ッ低。」ナオさんは上半身を起こして、俺を睨みながら軽く俺の頬をひっぱたいた。

 「覚えておきなさいよ。私に乱暴しておいて、タダでは済まないからね。」


 「なーんちゃって。…今回も楽しかったよ。ユウジ君も楽しかった?」

 「はい。興奮しました。仕事の服を汚しちゃってスイマセン。」

 「ははは、スカートがベットベットになっちゃったね。でも、仕事で着ている服に精液って画的に恥ずかしいわ。本当に犯されたみたい。」ナオさんは満足気だ。ティッシュに手を伸ばして手繰り寄せ、服に飛んだ精液を拭いている。

 「ところでナオさん、もしかしてK市の夜が初めてってことはないですよね?」

 「ん?どうだろう。あの夜ユウジ君に入れられて、ものすごく痛かったなぁ。」ナオさんはとぼける。

 「本当に処女だったんですか?」嘘だとは思うが少し焦る。

 「ご想像にお任せします。…でも、一つ良い事を教えてあげる。私は自分の一人エッチ以外でイったのはユウジ君が初めてだよ。君が私に気持ち良いいことを教えてくれたんだよ。へへへ。」優しくチュっと頬にキスしてくれた。

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