僕に天使(オタク)が舞い降りた

穴一

第1話 天使(オタク)リサ登場

 僕の名前は志場友樹、どこにでもいるごく普通の高校1年生だ。

目の前の光景に驚いていた。時計の針はPM10時を過ぎている。宿題の気分転換に自分の部屋の2階のベランダで夜空を眺めていた時、ある出来事が。

「あれ?・・・空から女の子が・・・」

 翼をもった少女が僕の目の前にいた。しかも、飛んで。少しウェーブのかかった金髪の少女が飛んでいて僕を見つめている。僕は凝視。目の前のありえない光景に驚き腰を抜かす。

「・・・・・君、どうしたの?」

 少女は僕に声をかけてきた。

「・・・・・・・・・・き、君こそ誰?」

 僕は声を振り絞って聞いてみる。

「私の質問の方が先でしょ」

 と何故か僕が怒られ、僕は自分の名前を名乗ることに。何で僕が先なんだと思いながらも自分の紹介をすることになった。

「僕は志場友樹」

「ふーーーん・・・・あのさぁ、君の家に住んでいい?」

 僕は少女が何を言い出しているのか理解できなかった。住む?何でそうなる。話の流れおかしくない。

「いや、いきなり何言ってんの?君も名乗るのが常識じゃない」

「まぁ、そうね。私はリサ。天使をやってるわ」

 僕はその羽を見れば察しが付くが本物の天使が何でここにと疑問が浮かんだ。

「私ね。重度のオタクなの。天界ってさ、アニメとかの娯楽がなくて面白くないのよ。だから、下界に下りてきたの」

 リサがいうには天界は娯楽が全くなく、ことりと戯れて一日が終わるらしい。しかし、ある時下界を覗き込むと人間がアニメや漫画、映画などを見て楽しそうな姿を見て、ちょくちょく下界に下り、アニメ、漫画を見ていたら大好きになっていたそうだ。だからこの際、こっちの世界に住んでしまえばいいという考えに至ったそうだ。

「でも、親には言ってきたんですか?何で僕の家なんです?」

「君なら私の言う事、何でも聞いてくれそうな顔だったから」

 なんだ、それと僕はツッコみたくなるが心の中で止める。

「ちょっと待って。僕は勝手に住まわせる事出来ないから、両親に聞いてくる」

 リサには飛んでいられると色々と困るので部屋の中で待ってもらった。僕は急いでリビングに行き、寛いでいる両親に話しかけた。

「父さん、母さん。ちょっといい?」

「どうしたんだ。藪から棒に」

 父さんはテレビを見ていたが僕の方を見て聞いてきた。

「じ、実は空から女の子が・・・」

「何だ?ラピュタみたいなこと言いだして、見たいのか?」

「勉強のし過ぎで疲れたの?もう、寝なさい」

 父さんは僕の言葉を軽く交し、天空の城ラピュタのDVDをデッキにセットしようとしている。母さんからは軽くあしらわれ、もう寝なさいと一言。確かにおかしな事言ってるのは僕だ。信じてもらえるわけがない。でも言わずにはいられなかった自分の部屋に天使(女子)がいる事を。

「違うんだ。ちょっと待ってて」

 僕は急いで二階の自室に戻る。リサは我が家にいるかの様に漫画を探し、寛いでいた。

「あなたの部屋、漫画少ないわね。」

「人の部屋で何してるんですかっ」

「おっ、ドラゴンボール全巻あるじゃない」

「知ってるんですか?」

「鳥山明氏の最高傑作よ。オタクなら当たり前」

 リサはどや顔で答える。

「いや、そんなことどうでもイイです。ちょっと、来て下さい」

 僕はリサの手を引き、両親の元へ連れて行った。リサを両親の前に出てもらう。

 母親は驚いた顔で。

「あら、リサちゃんお久しぶり」

「?」

 母さんは何でリサの事知ってるのか僕は不思議に思う。どういう事?

「おぉ、リサちゃん。いつ来たんだ」

「お父さんまで何言ってるの?」

 僕はみんなが何を言っているのか分からなかった。僕はリサに「お父さんたちに何かした?」と質問。

リサは頷き、「記憶の操作したの。私と友樹は幼馴染っていう設定で」と小声で言ってきた。

「おいぃぃ」

「後、私今日からここに住みますね。お父様、お母様」

「はぁ?どうしてそうなる」

 僕はツッコまずの入られなかった。

「さっき言ったじゃん」とリサ。

「いいぞ」「いいわよ」

 と両親共に快諾。リサはヤッターと両手を万歳し喜んでいた。おかしいでしょ。

「友樹、布団を用意してあげなさい」 

 僕は両親の言いつけでリサの寝るところを用意することになった。何で僕がここまでしないといけないんだとブツブツ言いながら準備しているとリサはさっき読み損ねたドラゴンボールをベットの上で読んでいた。

「そういえばさ」

「何っ?」

 リサの布団を用意している時に聞いてくるから、僕は少しイラッとしながら答える。

「ジャンプの漫画って何で出来てると思う?」

「何?いきなり。知るわけないだろ」

「友情、努力、勝利よ。でも、最近のジャンプ作品はこの要素の漫画が少ないのよねぇ。もっと欲しいのよ。友情、努力、勝利」

「知らんがな」

「だってジャンプ読んでるもん」

 僕はリサの言っていることに驚かされる。

「はぁ?天界にジャンプあるの?」

「うん。サンデーもマガジン、チャンピオンもあるわよ」

 リサは衝撃の言葉を発する。

「さっき、天界にそんなもの無いって言ってただろ」

「あるんだけど、見る事出来ないんだ。男の神様専用で行くバーバー(床屋)しか置いてないから見れないの」

「天界に床屋あるんだ」

 僕はそれを聞き、さらに驚かされる。女性が通うビューティーショップ(美容室)にはそういった雑誌は無いとも言っていた。ある物は所謂、天界でのゴシップなどが書かれている雑誌だけらしい。

「だから、待ち時間つまらないのよ。何で神様の方は漫画で女神の方は情報誌なのよ。だから私はこっそり、地上のコンビニに買いに来てるのよ」

「そこまでするかぁ」

 僕はリサの言葉を呆れながら、布団を用意。

「これでヨシ!準備できたよ」

 とリサに声をかける。

「私こっちで寝るから、君がそっちで寝て」とリサは言う。あと、今読んでるドラゴンボールがいいとこだから話しかけないでとも言われた。ちらっと表紙を見てみると34巻と書かれていた。セル編の終盤、確かに熱い戦闘で面白い所なのだろう。

「じゃぁ、僕こっちで寝るから。読み終わった寝てよ。電気は消すから」

「はーい。大丈夫」

 リサは漫画を読みながら手を振り、返事をする。僕は敷いた布団に入る。だけど、この1時間くらいでいろんな事が起こり過ぎて頭の中で混乱し、眠れない。頭の中を整理するのも面倒くさくなり、無理やりにでも寝る事に。寝ないと明日に響くから僕は目を閉じる。

 その日、僕は疲れていたのかすぐに深い眠りについた。

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