第27話 ゲームは一日・・・(1)
ゲームは一日1時間と小学生の時、先生に言われたことを私は思い出す。どうも、東雲亜里沙です。私は文芸部でBL小説を書いてるごく一般的な女子高校生。
私はゲームをしないけど、小学校で男の子たちはゲームが好きでよく話をしているのをよく聞かされていたことを思い出していた。
私の前で男の子二人が会話を交わしていた。
「ゲームは一日25時間ですね。デゥフフ」
「あのぉ~。それ、いつ寝てるんですか?」
彼が相田君とくだらない会話を交わしていた。彼の名前は芳賀康太。私と同じ文芸部で私の彼氏(仮)をやっている。まぁ、最近は芳賀君の彼女でもちょっといいかもと思っている。
相田君は前に温水プールで対決した後に仲良くなったと私は聞いている。名前は相田久光と前言っていたのを私は思い出した。アイドル好きな超がつくほどのアイドルオタク。典型的なオタクの見本と言っても過言ではない。でも・・・
「何で私の机の前で話してるのよ」
私は机で次の授業の準備をしていた。今は10分の放課でクラスの人たちも友達と喋ったり、トイレに行ったりと自由に過ごしていた。
「どこで話しても良いじゃないですか。別に東雲さんの準備、邪魔してるわけじゃ無いですし」
「うっ・・・」
私は芳賀君の言った事に反論できなかった。偶に正論言うからカチンとくるのよね。
「まっ。好きにすれば」
「相田君は最近のゲームで何にハマってるんですか?」
「拙者ですか、ゲームセンターのゲーム『クイズ⁉桃花(ピーチブロッサム)の軌跡』でござるよ」
「『クイズ⁉桃花(ピーチブロッサム)の軌跡』?」
「恋愛要素のあるクイズゲームです。しかもクイズがコアな人間からライトな人間まで楽しめるクイズなんですよ。クイズの量もたくさんで面白いんですよ、ふんす」
「へぇ、そうなんですか」
相田君は鼻息を荒くしてゲームの説明をしてくれた。芳賀君の声色が興味が無さそうな感じに聞こえる。もうちょっと興味持てと私は言いたくなる。
「クイズを正解することでお目当ての女の子の高感度やデートに行くところの範囲が代わるんです。もちろんクイズが答えられないとバッドエンドになり、マルチエンディングで中々やりこみ度があるんですよ」
「バッドエンディングで本気を出すなんてアホじゃないの」
私もつい、その話題に入ってツッコミを入れてしまう。
「それもそうなんですけど、何故は進め方間違えると男の子を彼女にしてしまうんですよ」
「な、何ですって」
私は相田君のその言葉が聞き捨てられなくて、ちょっ大きな声で反応してしまった。相田君は私のその声に驚き、引いていた。そんなゲームが存在しているなんて、知らなかった。
「どうしたでござるか、東雲殿」
「何々どしたのー?」
相田君は私の驚きに心配していたが、そこへ凛花さんがやってくる事で流れが変わる。
「ぶひー。クララ殿どうしたのでござるか?」
相田君の私への心配は凛花さんが来た事により、無かった事にされた。そういうとこだぞ、男子。
私の所に来た女子は春奈凛花さんは”アーデルハイド”というアイドルユニットでクララをしている。現在、売り出し中のアイドル。この凛花さんは大の女の子好きで所謂百合さんなのだ。私の事が大好きでちょくちょくちょっかいをかけてくる女子さんだ。
「ゲームの話をしてたんですよ。『クイズ⁉桃花(ピーチブロッサム)の軌跡』っていう」
凛花さんが来た事で芳賀君が敵意むき出しの反応する。
「それ、面白いの?」
「面白いでござるよ。も、もし、よろしければ授業後、ゲームセンターに一緒に行きませんか?」
凛花さんも芳賀君の対応に全然気にせず、質問してきた。強いわね。それに対して相田君は必死に凛花さんへのアプローチをしている。流石、ファンクラブ会員No.001。
「そうねぇ。確認する」
そう言うと凛花さんは自分の鞄のスケジュール帳と携帯を確認し始めた。
「ごめーん。今日、グラビアの撮影入ってたわ。行けなーい」
相田君は凛花さんのセリフに項垂れる。正にその姿はorzそのものだった。相田君は相当、残念だったようで男泣きをしていた。そんなにか。
「それはちょっと見てみたいですね。東雲さんはどうします?」
「私もちょっと気になるから行こうかなぁ」
私が芳賀君に聞かれ答えると、先ほど、行かないと言っていた凛花さんの目の色が変わる。
「あ、ごめん。やっぱ私も行く」
凛花さん単純すぎやしませんかね。私が行くって言ったら仕事キャンセルですか。
「あの仕事良いんですか、凛花さん?」
「あぁ~。いいの、いいの。ハイジが何とかやってくれるから」
凛花さんは私の心配をよそに、軽く言ってくる。毎回思うけどハイジさん可哀そうすぎる。凛花さんはいつもの様にスマホで電話をどこかにかけ出した。凛花さんは言葉巧みに事務所に電話をし、仕事をキャンセルを勝ち取った。
「普通、仕事優先ですよね」
私は凛花さんと行動に呆れていた。
キーンコーン
授業を開始するためのチャイムが鳴る。クラスのみんなや私の周りで談笑していた芳賀君たちもチャイムを聞くと自分の席に戻り授業が始まるのを待った。私は自分の席で準備してたから変わらないけど。意外にもクラスのみんなの着席率が良くていつも感心する。私もそうだけど。これが「パブロフの犬かな?」と思っていると先生が教室に入って、教壇に立つ。
そして、授業は滞りなく進んでいき、あっという間に時は進み放課後になる。
「じゃあな」
「部活行こっ」「そだね」
「帰ろーぜ」
と放課後のクラスは生徒達で騒がしかった。私もその中でカバンに教科書を詰め込む。詰め込んでいると横から声をかけてくる人がいた。
「さっ、行こうか。ゲームセンター」
そこには笑顔の凛花さんが帰る準備万端で立っていた。早いです。芳賀君も凛花さんが私の近くに来るのが見えるとすぐに帰り支度をして、私の前に出てくる。
「僕も出来ました。行きましょう」
芳賀君は凛花さんを睨みながら張り合っていた。相田君は凛花さんの後ろでいつでも行けますみたいな顔で立っていた。もうね、怖いけど。ある意味私はファンの鏡かもしれないと思った。私も帰る支度が出来、みんなでゲームセンターに向かう事にした。
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