女という業
春耳蜜
第1話
嗚呼、これはまた なんという業でせうか。
ーー齢も幾年を過ぎると女という身体を持て余ししどけなくなるのです。
張った乳房も白い肌も艶やかな黒髪もー。
閨で喘ぐ声も
下半身は離れないのに快感のあまり逃げようする上半身を貴方は連れ戻すのです。
おっと。こんな与太話。
話を戻しませう。
ーここに女がひとりおりましてね。
ひどく子供が好きで身篭りたいと切に願っておりました。
子を成したい、
愛する男性の子を孕みたいとただ切に願っておりました。
成熟した乳房や子宮や女性器は
触れれば柔らかく、硬いものを包み込み温かに湿ってゐるのです。
愛する貴方の
屹立した塊から
生命を注ぎ込んでもらふのを
ただじっと待ってゐるのです。
貴方も昔居た、暗く、温かい部屋で。
女という業 春耳蜜 @harumimimitsu
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