作中の伝承・物語
※本編の補足です。
本文に入れるには長かったため、こちらに一括させていただきます。
こちらに書いてある詩や伝承は『浮島生物(や陽都民)にとっての一般常識』であって、物語としての真実ではない場合がございます。
「2-2まじない師のおこり」「3-2宝石町のリリア」は大勢には知られていない物語や伝承です。
【伝承】
1-1.創世神話
かつて世界は灰の病に覆われた。
生きるために精霊は、空に浮かぶ島をつくった。
精霊はあわれみ深いいきものだった。
生き残った他のいきものたちも島に乗せることにした。
浮島はとても小さかったため、すべてのいきものは乗れなかった。
いきものたちは、互いの命をつなぎ合わせて、別なひとつのいきものになった。
いきものたちは精霊に案内され、浮島にすみかを整えた。
浮島は『星の国』と定められた。
太陽に守られた大理石と穀物の都「スーラ」。
すまういきものは緑の痣と花持つスーラの民。
水源に恵まれた硝子と文学の都「サラーズ」。
すまういきものは水と湿った皮膚をまといしサラーズの民。
火山に囲まれた鉱石と湯の都「アニ」。
すまういきものは、甲羅と鱗で武装した巌に近いアニの民。
鉄と砂漠に守られた鉄器と技術の都「リンデラ」。
すまうきものは、鋼鉄を食らう粘りあるリンデラの民。
雨と土とに囲まれた霧と夏の都「パールティ」。
すまういきものは、かたち朧な記憶に生じ角を持つジュノーの民。
森と共に生きる山林とまじないの都「ガーンタ」。
すまういきものは、獣と共にあるウバヴィーナの民。
地下深く息づく、影と機構の都「クシュタラ」。
すまういきものは、闇を見通す目と柔らかな体持つテェティ=シュムニジアの民。
天にありて孤高、光と風車の都「ナピラ」。
すまういきものは、薄い羽持ち、長く飛翔するトトニ=アオラの民。
海溝にありて不滅、塩と音楽の都「ヴルナ」。
すまういきものは、鱗とヒレ持つランズェの民。
かつて滅びし都「プラータ」。離別と時を支配した都。
かつてすまうもの、時を刻む瞳持つアーソムニカの民。
かつて滅びし都「レダマン」。美と空間を支配した都。
かつてすまうもの、夕刻へ身を投げた色彩豊かなファマリタの民。
かつて滅びし都「エリュズ」。理想と夢を支配した都。
かつてすまうもの、月へ逃れた夢幻のものたち。朧な器のカンヴイァハラーの民。
精霊たちは自分たちのためだけの場所も作り上げた。
雲とまじないに守られた城塞都「リシェズ」。すまうものたちは、フラクロウとの諍いに疲れ果てた精霊たち。
1-2.流星の子
浮島にはただ一つだけ、汚点がある。
『流星の子』と呼ばれるものども。
楽園に病の因子を持ち込んだ、最も忌まれるべきものども。
始祖は、灰の病を得ながらも、周囲に感染させることなき特異なるもの。灰の病を得ながら、子を宿し、病の因子を持ち込んだ大罪人。
灰に輝く頭髪を持つ、病に取りつかれた浮島の仇。
『流星の子』とは別名を『灰の子』と呼び、見つけ次第、地上へ突き落とすことを命ずる。
【設定上存在する書物】
2-1.主要な政変について
・流星落とし
星陰歴XX7年。ジプル教マーシィ派に『流星の子を地上に落とし、その血と肉で地上世界を覆いつくせば、地上が復興される』信仰が広がる。当時、各地に存在した『灰の子』のサポート団体や教育機関・伝承保管場所は次々襲撃を受け壊滅。陽都伝承館も少なくない被害を受けた。
中でも灰の子専門の隔離専門教育機関『流星院』の被害は甚大であり、500名以上が犠牲になった他、流星院は地下に崩落している。
・スーラ侵攻
陽都伝承館復興を成した『リーカヤ・パライド』が先導した革命運動。
ジプル教の影響を多大に受けていた王家の追放並びに、洗脳活動を行っていたまじない師の一斉排除が行われた。
『灰の子』に関する誤った資料は焚書を受け、灰の子についての誤った情報を広めた人物がことごとく排除された。
・第三次スーラ侵攻
第二次侵攻において、陽都は各都からの攻撃を迎え撃った。
この際、和平の証として石の伝承家より、長子「スターリ・シェロデルカ」が木都に送られた。しかし木都はスターリの館に放火する。
これに怒った晩年のリーカヤ、並びに他都に悪感情を持っていた一部の市民が決起。ガーンタの他、数百の市町村や北の大森林、プラータ・レダマン・エリュズが落とされる。
2-2.まじない師のおこり
はじめ、世界には荒涼たる平原があった。
平原に海女神「イヌダシオン」空神「カルム」が現れた。
イヌダシオンとカルムが交わり、風女神「アオリア」色神「ファマリアタ」太陽神「ソライエ」凪女神「カムミラ」雨女神「サイレイアス」水神「セレジオン」歌女神「ハルモニア」が誕生す。
(中略)
しかし、ネルニアはセレジオンの潔白を疑い続ける。
イヌダシオンはこれを不憫に思い、アオリア、ネルニアと対立。地と海の子どもたちを引き連れて反乱を起こす。アオリアは風属の勇士「フラク」に雷で鍛えた剣を与え、イヌダシオンらの討伐を命じる。
フラクは地と海の子どもたちを風の剣と雷の弓で焼き払い、ついにはイヌダシオンを捕える。神々の協議の結果、イヌダシオンは雷神により引き裂かれ、その際の悲鳴から海峡神が、涙からは嵐神が、知恵からは天候神が生まれた。
(中略/異伝)
かつて、ハイシアとセルーナという双子がいた。
女神の額から生まれたセルーナは賢かったが、悲鳴から生まれたハイシアは乱暴者だった。ある時、フラクロウが彼らに「永遠」についての研究を進めるよう依頼した。
生き物の短い寿命を哀れんで、セルーナは承諾した。
傲慢なハイシアは断り、セルーナの研究も隠してしまった。
怒ったセルーナの仲間によって、ハイシアは五つに裂かれ、海に捨てられた。セルーナはこれを嘆いて、平原に消えた。
(略)
【設定上存在する童話など】
3-1.黄薔薇の姫君
3-2.宝石町のリリア(もしくは山上町のリリア)
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