ド級の憂鬱
梅雨も明けたというのに湿気が酷い。嫌な方の夏の風物詩だ、困ったことにそこそこ続く。朝から眠気と頭痛に悩まされながら自転車を漕いでいた。
今朝は母が早々に家を出たので、休みたい気持ちを30%ほど押し込めて一人準備をして家を出たわけだが。普段より少し早く出たせいか、最初の5分ほどは人も車も己以外におらず、世界が停滞したとまで思えるほど動きがなく。ただ蝉の声だけがばらばらと、喧しく時間の止まらざるを教えていた。
そのまま家に戻りたい気もしたが、それを許すと次の給料が減るので仕方なく職場に赴いた次第である。昼休憩。かなりだるかった。何がと言うと隣におわす社長様である。共用のデスクに、食事時間だというのに足を上げるのだ。
自室なら分かる。無理をせずにゆったりと、少し行儀の悪いことをしてもいいだろう。しかし、かの社長様が足を上げるのは職場の共用デスクなのだ。ただでさえ人がいる場所で机に足を上げるという行為が常識外れであるのに、食事中な上にこちらに足を向けてくるのだ。気色悪いことこの上ない。
だが、わざわざそんなやつのために注意するのも面倒臭いので、最近はしかたなく息を止めながら食事を摂るなどしている。扇風機の風がこちら側から吹いてくれるのが不幸中の幸いである。
仕事においての一つの楽しみである食事が苦行と化していることに憤りを覚えつつ、明日の休みを全力で享受しようと心に決める、そんな宵を過ごしている。
雑記 メルトア @Meltoa1210
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