チートスキルで下剋上!!〜誤変換されたスキルが正しく表記されたので手当たり次第試した結果〜
銀狐@にゃ〜さん
プロローグ
「ぐっ……う…あ…ぁ……」
全身に走る痛みで意識が戻る。
身動ぎするたびに身体のあちこちから激痛が走りそれでまた意識が飛びかける…
間違いなく身体中が骨折しているだろうが、今の俺にはそれを確認する術もない。
今の俺の状態はロープで手を後ろ手に縛られており、ご丁寧にも胴体、膝、足首に至るまで念入りに縛りあげられているのだ。
さらには目隠しをされた上、俺がスッポリと収まる大きさの袋のようなもので包むという徹底振りである。
当然何も見ることは出来ないのだが、俺が今いるこの場所はおおよその見当がついている。
「
俺が何故こんな所に重傷を負った状態で転がっているのか。
それは俺が住んでいた街の悪習とも言える事が原因だろう。
それは人身御供、つまりは生贄だ。
その生贄役として俺はこうして捧げられたのだろう。
「我ながら…げほっ…なんと言うか…ツイて……な……い…」
独りごちるだけでも引き起こる身体の激痛に俺は何度目になるかも分からない意識不明に陥る。
きっと俺はもう助からないだろう。
暗黒龍に喰われるにしろ、この辺りに生息している魔物に喰われるにしろ俺の人生はここで詰んだ。
あぁ、全く…
思い返してみてもつくづくツイていない人生だった…
もっとも、生き長らえたところでこの先の未来もロクでもない人生を送っていたのだろうが…
そう考えると、味わう苦しみがこれで終わると考えればまだいい方なのか?
まぁ…
もう…どうでもいい…か…
いよいよ無駄な事を考えている時間も無くなってきたようだ。
俺を蝕む激痛もそろそろ何も感じなくなってき始めた。
(来世ではもっとマトモに生きていけますように…)
そう思いながら意識を手放すと…
『まだ逝っちゃダメェェェェ!!』
俺の意識は女性の声によって掬い上げられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます