神永君は溺愛彼氏
向日ぽど
私の彼氏は残念です
第1話
「まやちゃ~~~~ん!!」
そう叫びながら駆け寄ってくるのは、神永凛。
……一応、私の彼氏だ。
見た目はイケメンだし、背も高い。馬鹿だけど運動もできる。
学校内でも有名で、ものすごくモテるのは否定しない。
だけどこの男、いろいろと問題アリなんです。
「まやちゃん、あのね!!!」
まずはあまりにもテンションが高い。そして声もでかい。これが通常運転だ。
……大した用じゃなかったらぶっとばすよ。
そう睨みを利かせてみるけど彼にはもちろん通用しない。
「おはよう!!!」
そうにっこり笑って挨拶した。
「は?」
思わず発した私の声と怪訝そうな表情にも気付かず、嬉しそうに喋りはじめる。
「よかった~!!今日はちゃんと、まやちゃんに挨拶できた~!!」
そんなくだらないことで喜べる彼の脳内を見てみたいものだ。
──この男は、いつも私の調子を狂わせる。
「早起きしたんだよ!?褒めて褒めて!!」
よしよしを待つ姿はまるで小犬のよう。ふりふりしてる尻尾が見えるのは私だけ??
「まやちゃんを一目見れたら俺、一日頑張れるんだ~!!」
……なんて言ってるけど、授業中爆睡してるのは知ってるんだよ。
正直、彼と一緒にいると疲れる。
一日中一緒にいようもんなら、かなりの体力を消耗すると考えていい。
すぐにヤキモチだってやくし、単純すぎて扱いやすいと思えば思考回路が他の人と違いすぎて扱いづらいときもある。
……まあ、とりあえずものすごくぶっ飛んだ人。
──なんで、そんな人と付き合ってるかって??
私のことが大好きすぎるこの男。
愛するより愛されるほうが幸せだっていうでしょ??
こいつなら……その言葉を信じて付き合ってみてもいいかなって思ったの。
ただ──それだけ。
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