第24話 赤羽 兵士

 ズージェリアの兵士になってしまった。


うなぎ男エジの口車に乗ってしまった。


「1年で基礎的な魔術、戦い方、LVアップ、

さらにはこの世界の知識や常識を教えてやろう

ここに住めば宿代もかからん。仕事は無論してもらうがな。」


それはクロックたちも同じだった。

が当人たちは訓練に仕事に魔術に楽しそうだった。



朝早く起きて飯を作る

食う

基礎訓練 体術

昼飯を作る

食う

基礎訓練 魔術

戻る

掃除する

洗濯する

夕飯を作る

食う

基礎訓練 筋トレ 

寝る



たまに社会常識や世界史の勉強が入ってくる。


ほぼこんな毎日だった。

ファースさんにしごかれ、エジさんはたまに見に来る。

そして授業にはペンギン男ピューイかペリカン嬢ペリーピーチがやってくる。



「この国一番の獣人魔法の使い手。

ピューイだ。

元軍人なのをご存知ないかな?

学のない君たちに知識を恵んでやろう」


「今日はギルドのアイドルをお休みして、先生をしにきました。

ピーチ先生って呼んでね?はあと」


こんな具合だ。


右手の石はまだとれない。

が、エジさんに教わって魔力操作で形を限りなく小さくした。

オリジナル魔法 地魔法ストーンリング

石の指輪になった。

小型化。素晴らしい。



何故解除できないのか

エジさんにもピューイにも亀娘カティにもよくわからないらしい。



2か月が経った。

ここに来たころとは違い、朝早く起きる、夜早く寝るが習慣づいてきた。

基礎能力もかなりあがった。

レベルはあがってない。

魔物、モンスターを倒すそういった実践戦闘を行わなければレベルがあがらないらしい。



ただスキルは別だ。

魔力操作でかなりストーンのサイズが調整できるようになった。

LV1ストーンですら直径2mほどの大きさで出せる。

あいかわらず手から離れないが。

LV4ストーンガンズ 石弾連射

LV5サンドウインド 砂の突風

を取得。

中位魔導士になった。




クロック、バンは獣人魔法、獣人闘法を取得した。

野生の力が解放され単純に攻撃力防御力が上がる。

クロックは攻撃と防御のバランスがいい。

まあワニだしな。

バンはスピードと持久力が強みだ。

まあラクダだしな。

なかなかいいコンビだ。




カティは元々できる水魔法を強化 LV6まで打てるようになった。

さらに回復魔法に獣人魔法、援護魔法にと豊富なサブ技もある。

中級上位魔導士 という称号を王から賜っていた。

すごいぞカティ。




さて歴史の話だ。



先の賢者と勇者のストーリー

それがこの世界のもっとも古い公式な記録。

非常に曖昧でいまのこの国の国王の子供の時の記録すら

公式な物としては存在しないという。


そして子供の時の記憶も曖昧なもので国民全員がそんな感じらしい。

親や兄弟のことは分かる。自分の家も育った場所も。

争いの歴史、この国の成り立ち、当時の王。

そういった記憶が消されている。

明らかに何者かが意図的に消している。

そう思える。


この国は建国後20年も経っていない。

この国の王は建国後すぐに周りの3か国と平和条約を結んだ。

鳥人の国、爬虫人の国、そして鬼の国。

そんなこともあってこの国には様々な人種がいる。

鬼はまだみたことがないが。


あとはこの国が農業に栄えているくらいだ。


草食動物の獣人は農業が得意。

肉食動物は戦闘が得意。

雑食はどっちもまあまあ。人によって得意不得意ある。

この国は近隣4か国で一番草食が多いんだそうだ。



そんな授業もある程度終わり、そして俺たちはファースに呼び出される。


「さて、ある程度お前たちも使ってやらなくはない程度になった。

次は本格的なレベル上げだ。

3つ。この国には戦闘システムがある。


1つ、コロシアム。

我が国の兵士、そして他国の兵士、そして捕獲してきたダンジョンモンスターなど、

一騎打ちないし大乱闘だ。

賭け事にも使われる。今度見に行かせてやる。


2つ、ダンジョン。

4人ないし5人でダンジョンに潜る。

レアなダンジョンアイテムを手に入れれば国に寄贈しろ。

昇格もできるぞ。

さらにダンジョンモンスター殺し放題。レベル上げ放題だ。

ただし負けたら死ぬぞ。

一般の冒険者もいる。

場所はこの国も含む4か国のちょうど中央だ。


3つ、戦争。

外で行う国同士の一騎打ちないし団体戦だ。

殺すのはストップをかけるがたまに死ぬぞ。

同じ獣人同士殺し合ってもレベル上がるからな。

普通にルール無視で殺しにきたりもするぞ。

地形による戦略も考えねばならない。


お前たちにはこれを経験してもらう。

いきなり対人は低レベルのお前たちにはきつい。


まずはダンジョンに行け。

兵士でも冒険者ランクは上がるからそこは安心しろ。

死ぬなよ。報告書を書くのは面倒だからな。」



俺たちは国支給の兵士用装備を着せられ

半ば強制的にダンジョンに潜らされることになった。


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