第4話 モール
ゴブリンを倒してしばらくすると頭の中に音声が響いた。
レベルLV2に上がりました。
地魔法LV1を獲得しました。
スキル射撃補正LV1、命中率上昇LV1、を獲得しました。
おお。
これが神の声とか天の声てってやつか。
と思ったが声の主は自分の左手のリストバンドだということにわりとすぐ気づいた。
骨伝導スピーカー的な?
ゴブリンに頭をボーガンで撃たれた先輩自衛隊は5分くらいで復活した。
自衛隊のヘルメットは頑丈らしい。
起きた自衛隊はまわりを見まわした後
「くそっ」
と一言だけ言って小銃を拾い
助手席に飛び移った。
うまれてはじめて銃を撃った。
こんなに衝撃があるとは。
まだ手に感触が残っている。
落ち着いてきたところで考える。
母と自衛隊の隊長っぽい人を置いてきてしまった。
あれだけ撃たれていたゴブリンが俺が撃ったらダメージ入ったな
無敵時間切れたとかか?
自衛隊の二人のはなしに聞き耳を立てる。
「・・回復魔・・・類か?・」
「・・・は傷口が・・・・・・・」
「・・・このあたり・・・・・・・・・・」
「・・特異個体で・・・・?」
風と車のエンジン音で聞こえずらい。
2人に大きな声で話しかけてみる。
「あの、母と残してきた自衛隊の人は大丈夫ですかね?」
「ああ、お母さんは大丈夫だ。心配することはない。」
「舌かむから荷台では座っててね」
そして近くの大型ショッピングモールに着いた。
小学生のころ以来にこのモールにきた。初めて映画館で映画を見たのもここだっけ。
あのころとは違い、モールの入り口には有刺鉄線やら机や椅子を組みあわせたものでバリケードが作られていた。
「ハイ、降りて」
後輩自衛隊にモール入り口へ誘導されながら説明を受ける。
このモールは地域で逃げ遅れた人などの一時的な避難場所に指定されている。
すでにモールに何人か避難民がいて2週間に1度くる大型移動車を待っている状態。
食料はいっぱいあるからここでお母さんたちを待とう!だそうだ。
「母のところに迎えに行かないんですか。車がないと結構距離ありますよね?」
「僕たちはここで待つよ。優先順位があってね。ごめんね。そうだ、中の人たちを紹介するよ!」
本当に心配していないような顔だった。
そんなに隊長っぽい人はたよりになるんだろうか?
モールに入る。
モールの中はシャッターがほとんどしまっていて静まり返り、所々でランプがついているだけのあかりしかなく薄暗かった。
モール中央あたりにつくと人があつまっていた。
今晩はカレーだな。大きい鍋からそんなスパイシーなニオイがする。
食事も半端に家を出たから腹が減った。
先輩自衛隊がしゃべり始める。
「じゃ、新しい人来たんで説明な。
ここにいる避難民の皆さんは全員転生者あるいは転移者。
んで、ここが東京一時避難所ベース3号。
23区にひとつずつあるベースの一つだな。
ここで輸送機を待ちますってのが俺たちの任務な。
で、こちら赤羽くん。高校生。今日戻って来たばかりのピチピチだから色々教えてやってな!」
8人の前で雑な挨拶をされた。
その後で飯を食いながら転生者、転移者の話を聞く。
この時、モールのなかで異世界へのゲートが開き始めていた。
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