ひまわり

大西洋一

第1話出会い

私は木下水樹。

見た目は、どちらかと言うと活発な感じの女の子で身長160センチの細身、髪の毛は肩までの高校3年生。

父親は転勤族で小学校の時から転校の繰り返し、自然と新しい学校、クラスにも馴染む事が上手になっていた。

そんな水樹は、2週間前に、この学校に転向して来た。

勿論、クラスにも直ぐになれて友達も出来た。

今日は、友達の怜奈達と帰り道に校舎を出た時、教室にスマホを忘れた事に気づいた。

『忘れ物』

水樹にとっては一番大切な物を忘れて来た。

『先に行っていて...後から行くから』

そう言葉にし走って校舎に戻った。

明日からは夏休み、その為、部活も休みで校舎内には人影も無く、水樹は廊下を走って教室に、古い校舎でドアを開けると、木と木が擦れた音が静な校舎内に響いた。

水樹は教室の中に足を一歩踏み入れた時、1人の男の子の姿があった。

『えっ…誰』なのと思いながら

窓際の机の椅子に座っている男の子、その席は水樹の席で、どうして私の席に座っているのと思いながら、先ほどまでとは違い足音を忍ばせる様に後ろから男の子の所に近づいた…

『あの...そこ私の席なんだけど』

そう言いながら水樹は男の子前に回って顔を見た。

顔を見ると見た事のない顔で、同級生にしては多少幼い顔つきの男の子だった。

スマホが机の下にあるけど、よけてくれないかなと思いながら、男の子に近づき視線を冴えぎる様に顔を45度に傾かせる様に

『私の席だよ…聞こえている』

肩まである髪の水樹は、微笑みながら言った。

『あっ…ごめん』

男の子は愛想なく、席を立ち上がり

窓際に行って校庭の方を見ている。

なんか変な男の子と思いながら

机の中に置いてあった、スマホを机の中から取り出しかばうの中に入れた。

そして教室から出ようと入って来た入り口の方に向かったが、外を見ている男の子が気になり近づいて

『さっきから何を見ているの?私は木下水樹…君は…』

水樹は後ろから声をかけた…

このクラスに転校して2週間、クラス全員の名前は覚えていなかったが、顔だけは覚えたつもりでいたが、初めて見る顔だったので気になり聞いた。

『誠也…桜井誠也』

誠也は愛想ない顔をして面倒くさそうに答えた。

何を見ている何て勝手だろうと思ったが、誠也も女の子の事が気になり

『アソコの向日葵畑、凄く綺麗なんだよ』

誠也は指を差して微笑みながら言った。

誠也は、満開と言うのには程遠い、黄色よりも緑が目立つ五分咲き程の向日葵畑をじーっと見ていた。

『うーん....そうね』

水樹も誠也の横に立って校庭を眺めながら…

男の子なのに、お花が好きなんて少し変わった男の子と思い、誠也を見ると、水樹よりも少し背が低く、あどけない表情の男の子だった。

あっ…もう行かないとと思った水樹はスマホを机から取り出して、鞄に入れて教室を出ようとしたが、やはり男の子の事が気になった水樹...

『ねぇっ…一緒に見に行ってくれないの』少し大声を出して...

それを聞いた誠也は、無言のまま水樹の所に近寄り、そして水樹をチラッと見て教室を出て廊下を一人で歩き始めた。

なんか変など奴…水樹は慌てて後を着いて行く

『そんなに早く歩いたら、転んでしまうよ…ちょっと待って』

急ぎ足で着いて行く、水樹を振り返る事も無く、誠也は玄関に行って靴を履きかえ校庭を歩いて、明後日から台風が来るらしく、グランドには強い日差しが2人の影だけがグランドに映っていた。

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