第1話裏 おーさんという人

私の夫である“おーさん”は、目が細い。

笑うと更に細くなって、線みたいになる。

似顔絵なら確実に一本線。


その細い目が大好きだ。

あの目で、世界がどんな風に見えてるのか興味津々。


前に

“見えてる世界も細いの?“って聞いたら

“なんでやねん!”って言われた。

細くはないらしい。ちょっと残念。



おーさんは、ムツゴロウさんになりたいのかもしれない。


突然ぐわーーーっと可愛がってきて、満足したらさっさと去っていく。

ぐわーーーータイムは大好きだけど、あっという間に終わってしまうし、モノマネは恐ろしく似ていない。



おーさんは、甘噛みしても怒らない。

無だ。ただじっと動かず、甘噛みされている。

これもムツゴロウリスペクトからなのかもしれない。


ただ、ちょっとでも痛いとすごい勢いで叱られる。

しつけは、NOムツゴロウスタイル。



おーさんは、片付けが嫌い。

やりっぱ、脱ぎっぱ、出しっぱ大王だ。

直す気は来世になってもなさそう。

……来来世かもしれない。それくらい嫌い。



おーさんの洗濯物の干し方は、芸術的。


ダリのような作品を、濡れた洗濯物を干すことで作り出す。


芸術的だけど、とてもシュール。

靴下がハンガーにかけられて、Tシャツが洗濯バサミで何箇所も留められている。


実用的ではないので干すのはお願いしないほうがいいと思う。

洗濯物がびっくりした形で乾くよ。





今日の我が家のおーさんで覚えて欲しいのは、こんな感じ。


よかったら、仲良くしてください。ぺこり。

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