夏、僕は愛されていると実感した

 ひとりぼっちの部屋の中で、僕は無償の愛を注がれていると実感した。

 なんでもない夏の夜に、ここまで愛されることになるとは思わなかった。


 両腕や両足に湧き立つかゆみが、それを証明している。

 右の二の腕、左の手の甲、右の太もも、左のくるぶしと、そこら中にポコリとした膨らみがある。

 そして僕は、とめどなく襲うかゆみに抗おうと、膨らみをかきむしっていた。


 ……愛されすぎて辛い。

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