魔王、そろそろ支配始めてみました。

影神

宣戦布告??





幾度となく、




"勇者"




と、謳われる者が私を倒しに来る。




その度に、私は死んだふりをするが、




この世界には既に






"私を倒せる者等生きていない"






倒す、とは案外軽く言われたもので、




実際には私を殺しに来るのだ。






普通に考えて頂きたい。




別に普通に生きているだけだ。




城でひっそりと、寂しく暮らしているだけ。






それなのに、見た目や種が違うだけで、




どうしてこうもなるのだろうか、、






何故私が引き込もっているかって?




それは、外へ出ると皆が脅え、逃げ惑うからだ。




夜に何度か外へ出る事があるが、




最後にあの暖かいお日様の日差しを浴びたのは、




もお、数千年も前の事になるだろう。






そもそも、我々は人間の醜い感情や、




思念により産み出された者である。






人間自らの悪い部分が形になっただけで、




自らを省みず、それらを消すことに




一体、何の意味があるのだろうか、、






私は例外で大昔に大魔法師により、




破滅の為に産み出されたので、まあ、




滅ぼされても仕方がないのかも知れないが、






よく我々を悪の象徴とし、




配下や子孫らを平気で殺しに来るが、




あれは一体何なのだろうか、、






そもそも我々はテリトリーからは出ず、




冒険者や勇者等と言った名ばかりの連中が、




我々を攻撃してくるから、防衛の為、




反撃をしているからであって、、






よくある話しの様に、人間を襲ったり、




世界征服をする等と言った行為を、




したり、掲げたこと等も一切ない。






まあ、大昔には、それなりの勇者や冒険者共が、




沸くように居た為、暇潰し程度に、来る者どもを




相手をしていたことも無くはなかったのだが、、






今はどこも質が悪い。




悪や魔を語っては同族で殺し合い、




自らの私欲の為だけに争う。




そうして、しまいには我々を閉じ込め、




政治や私欲の為に人間の元に我々を放つ。






まあ、随分と勝手な者どもだ。






先日。我々の友人の子供が金の為に、




殺され、皮膚を剥がされ身を売られた。






本当に、どちらがモンスターと呼ばれる者か、




正直頭を抱えるレベルだ。






友人は何とか私が宥めているが、




彼がキレたら、この付近の国々は




ほぼ全滅するであろう。






ここは魔王として、きちんと表へと赴き、




諸国の王とやらに話をつけなくてはならないな。






よし、、




この魔法の水晶で、都合を付けて貰おう。






んん、、、






『私は、偉大なる、魔王である。




先日、私の大切な友人の子供が殺され、




皮を剥がされ、食われた。






友人は酷く怒っている。




その件に関して少し、話がしたいのたが、




是非とも近隣の諸国の王等ともこれを機に




直接会いたく願う。






その為、日程を決めて頂きたいのだが、如何か。』






その日は皮肉にも悪天候に恵まれ、




雷が響き渡り、人間達からしてみたら、




魔王が宣戦布告をしている様にしか見えなかった。






城の奥深くに居る魔王にとっては、




そんなことは知るよしも無かった。






東の王「魔王は倒したはずじゃ無かったのか、」




勇者「確かに選りすぐりの精鋭達が、




先日辺りに見事討伐したとの報告が、、」




東の王「ええい!!




まったく使えない者共だ!!




直ぐ様各国の王と会談の都合を付けよ!!」






西の王「ふぉーっふぉっふぉ。




魔王直々に面会等と良く言ったものだ。




身の程を弁えるがいい、、」






北の王「馬鹿な者共よ、、




ほっとけばいいものを、、




所詮、戯言だ。




モンスター等と対話する等、




奴隷共と食事をするのと同じだ。






そんなこと、するものではない。」






南の王「あぁん??




魔王だ?




意気がってんじゃねえよ。






誰が王かこの際ちょうどいいぜ、




王になったついでに、




魔王とやらにでもなってやる。」






こうして、いろいろな思惑や、思想で、




『魔王支配の日』




と、後に囁かれる様になった日は、




ゆっくりと幕を開けたのだった。




















































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