第5話
黒光りする車に乗せられた僕はただただ緊張していた。この先どうなるのか、何をされるのかよくわからない。体を売るという行為がどのようなものを指すのか、何をされるのか本当にわからない。これから起こる全てが僕にとって怖かった。
「お客さんの前では笑顔よ。暗い顔、しけた顔、そんなことすればお客さんに失礼だし、太客になってもらえない。向こうだってそれなりのリスクを背負ってあなたを買っているの。
変な技術なんかは知らなくていいけど、笑顔でいること。そしてお客さんのことについて基本的には嫌がらないこと、それが約束よ」
桐原はこれまでと違った声色で話した。仕事の声だった。
僕はわからないけれど、僕の命を繋いでくれたこの桐原には捨てられたくないと思っていた。自分が生きていくためには、死に損ないにならないようにするには彼女についていくしかない、そう思うと少しだけ頑張ろうという気になった。
買い手の家には車で三十分のところだった。閑静な住宅街の大きな一戸建ての家。とても綺麗で新築のような感じがする。
車から降りて桐原の後をつけて玄関口に向かう。桐原がインターホンを鳴らすと一人の女性が出てきた。見た目は三十代ごろだろうか、もっと奇抜な人かと思えばとても落ち着いている。今から、この人に「買われる」わけである。心臓がドクンと鳴った。
桐原は事務連絡を話しているのだろうか、玄関先でこそこそと話をしている。二、三分話をすると、「お楽しみくださいませ」と桐原僕をおいて車に戻った。
「それじゃあ、おうちに入って」と女性は言う。少し鼻息が荒くなっていた。
僕はその女性に言われるがまま家に入る。
「まず、お風呂入ろっか」そう言って僕の着ている服をあれよあれよと脱がしていく。いつも着ないような少し大人びた服で少しだけ気に入っていたのにも関わらず、そんなことはお構いなしに服を脱がし、玄関先に放り投げた。僕は瞬く間に裸になった。慌てて僕はソレがあるところを手で隠した。
「隠さなくていいのに」と女性は嬉しそうに言う。
「射精、したことないのでしょう?」と女性は僕に聞いてきた。
棒はどう答えれば良いのかわからない。本当は怖くて仕方がなかったけれど、桐原を裏切っちゃいけないと思って一生懸命笑った。
「無理はしなくていいのよ」と女性は言う。
僕は、乾いた口を開きながら
「射精、って何ですか?」と聞いた。
女性はとても嬉しそうな顔をしながら、
「あなたのあそこから、ね、・・・」と嬉しそうに話を始めた。女性が言っていることを僕は信じることができなかった。
「汚く、ないのですか?」
「そんな、汚いわけないじゃない」そう言いながら女性は服を脱ぎ出した。
僕は、みてはいけないものを見ているのかもしれないと思い、目を逸らす。
「何しているの?ちゃんと見てよ」と女性はもはや興奮を隠さずに言う。
僕は、そらした視線を女性に向ける。
大きな乳房、よくしまった腹部、スタイルの良い女性だった。股間部にある毛は整えられていてその茂り具合は僕と女性の年齢の差を否応なしに感じさせられた。
「それじゃあ、お風呂に入ろうか」
女性は僕の手を引いて風呂場に連れて行った。家が大きいからなのか風呂も大きく、浴槽にはすでにお風呂が沸かされていた。
「それじゃあ、体洗おっか」と言って、女性は僕の体をゆっくりとでもいやらしい手つきで撫でてくる。そっと、手につけた泡が首から肩にかけてそして背中腹部、そしてソレに。自分でもあまり触らないところを他の人に触られている。異常な感覚が僕の体を駆け巡る。そしてソレがどんどん固くなり、大きくなっていく。それに連れて女性は嬉しそうな顔をする。女性は太ももより下には目もくれず、ひたすらソレを撫でる、しごく。初めての感覚に少し痛みすら覚えたけれども桐原の言葉を裏切らないように我慢をする。そうしていると、痛みよりなんだかわからない気持ちよさが僕を襲ってきた。立っていられなくなった僕は膝を地面につきそうになる。女性はそれを許さず、無理矢理立たせて陰茎を扱き続ける。
「つ、辛いです」僕はとうとう弱音を吐いた。だめだ、これじゃあ、また捨てられる、そう思った。でも女性はすごく嬉しそうに
「そう、それじゃあ、次のことしよっか」と言って手を止めた。女性は体の泡を落とすと、今度は首からそっと舐め始めた。全く知らない女性の下が僕の首筋、肩、腹部をツーっと撫でる。少しざらりとした感触が気持ち悪い。でも、先程の刺激で麻痺をしている僕にしてはどうでもよくなっていた。女性の口が僕の陰茎のそばを掠めた時、女性は僕のソレを咥えた。
「っ!」僕は声にならない声をあげる。僕がおしっこをするところ。汚いはず。でも女性は嬉しそうに僕のソレを舐めて至福のような顔を浮かべている。舌を使って僕のソレを刺激する。生暖かい空間で唾液が僕のソレにまとわりつく。僕は何かが迫り上がってくるのを感じた。
「何か、出そう・・・」僕は弱々しい声をあげる。
女性はくぐもった声で何かを話しているが、なんと言っているのかわからない。でも、女性の目は爛々としていてその視線は獣が餌にありついた時のものだった。
女性のソレに吸い付く力が大きくなる。どんどん吸われていく。女性の下で僕の怒張したソレが踊る。何かが出る。くる。我慢することはできない。出る。
「ごめんなさい!」咄嗟に謝っていた。そしてその瞬間僕は、女性の口の中で吐精した。それが初めての射精だった。
女性は恍惚な表情を浮かべながらソレを口から吐き出し、ソレから出た静液を手に出した。
「いっぱい出したね」と女性は嬉しそうに言う。そして女性は僕が出したモノを再度口に戻して飲み込んだ。
「初めてってこんなに濃いんだね」その姿は女豹そのものだった。
僕は呆然としていた。お風呂場で、全裸の少年と女性が致す。僕の初体験がはじまった。
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