割れた氷と心 (※ファルス注意)

春嵐

割れた氷と心

 ひび割れて。それが、広がっていくみたいに。心が、離れていった。

 ずっと、ふたりでいて。これかも、しぬまでそうだと、思っていたから。まるで、自分自身が半分ぐらい、いなくなったみたいな気持ち。心が、半分、割れて落ちた。


「ねえ。なんで」


 なぜ、わたしたちは別れるの。

 彼は、少しだけ笑って。


「時期が悪かったな」


 そう言った。

 時期って、何。

 わたしたちは。

 互いに。

 好きなのに。

 こんなにも、想っているのに。

 別れるんだ。

 どうして。

 なぜ。


「じゃあ、元気でな」


 そう言って、また笑う彼に。

 わたしは。


「うん」


 笑い返すしか。できない。

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