いかれたサウンド

モリ クマオ

第1話

なんやあのじぃさん。

初めて目にした時は背中に衝撃が走った。


明らかに中学生の私からみたら

60歳ほどのじいさん(失礼だが)

けたたましい音と三本のマフラーから煙をだして

いかれたスピードとウィリーで私の前をあっとゆうまに走り去った。


世は空前のレーサーレプリカ真っ只中

なんの外装もなくエンジンがフレームから飛び出したその鉄馬の猛烈な2ストオイルの匂いに一瞬で魅了されてしまった。


それまでの私は音楽に夢中だった。

ピストルズ、クラッシュ、ラモーンズ

でもその音楽よりも、鉄馬は黒い革ジャンをきて

いかれたサウンドをかき鳴らし私の心を鷲掴みにした。


インターネットもない時代

今までなんの興味もなかったバイク雑誌を

必死で探す。


カワサキ MACHⅢ

後家づくり棺桶バイク

まっすぐは早いが曲がらないとまらない、、


それから私の単車人生がはじまる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いかれたサウンド モリ クマオ @kumao884

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る