第109話 フィンディルさんの自主企画……参加作品の感想⑨

 はい。あと二作品です。しかし、難儀な二作品が残ってしまいました。企画主のフィンディルさんの難解なアレと、中国史のアレです。


 では行きますね。


悪心/フィンディル様/西南西

https://kakuyomu.jp/works/16817330654518621487

 タイトルは悪心で「おしん」と読むそうです。いきなりムズイ。

 エキノコックスは寄生虫ですね。「さてろ」は捨てろなのか。寄生虫を捨てろという意味か。

 「僕の男」とあり、一人称で書かれていることが分かる。しかし、要領を得ない描写が続き、最後に「どこか遠いところに帰りたい。」となる。


 悪心とは寄生虫のようなものなのか。悪心が僕で、悪心が語る一人称か。悪心とは多重人格や統合失調症、あるいは憑依現象における副人格なのか。主人格が男。もしくはその逆で、男が悪心であり主人格であるはずの、乗っ取られた僕が語っているのか。そして最後の言葉は、あるべき姿に戻りたいという意味なのか。


 全てが幻覚ですと言われても不思議じゃないですね。しかし、多重人格や憑依現象として解釈するなら説明は可能かもしれない。しかし難解。何回か読み込めば違った見方も出てくるのかもしれないけれども、正直な話よくわかりません。


伸手/久志木 梓/北北西

https://kakuyomu.jp/works/16817330654652941795

 先ずは作者様のプロフィールに「主に中国の魏晋時代(3世紀~4世紀)を題材に小説などを書いています。」とあります。正直な話、魏晋時代って??? って感じですねえ。ざっくりと漢末の黄巾の乱(184年)以降、隋の統一(589年)までを魏晋南北朝時代といって、それも大まかには三つの区分があり、三国時代・五胡十六国時代・南北朝時代になります。もちろん、わからんので調べたんよ。知ってたわけじゃないよ。

 その中の、三国志の時代の魏とその後に成立した晋(西晋~311年)を中心にという事、それで魏晋時代らしい。今回は311年、永嘉の乱により、当時の洛陽が陥落し西晋が実質的に滅びるお話のようです。正直な話、歴史的知識は全くない。

 

 永嘉の乱の最中に、西晋の皇帝(懐帝)が洛陽から長安へと逃れようとした時に捕まり、捕虜となって平陽に連行されたと、この史実に基づいて書かれているみたいだな。

 私はこういったジャンルの小説を読まないので、聞き慣れない単語や宦官の行為などが新鮮に感じられたし、史実はどうだったのだろうかと調べたりするのも楽しかったです。


 歴史物の楽しみとは、単に物語を楽しむだけでなくて、時代背景とか史実ではどうだったかとかを調べることも含まれているんだなと思いました。


 方角については、こういうマイナーな時代や登場人物をエンタメ方向へ向けるのは難しいのではないかと思いました。予備知識が必要なんですよね。そんな理由で、もう少し西向きな北西ではないかと思いました。


 フィンディルさんの自主企画参加作品の感想は以上となります。


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