第98話 フィンディルさんの自主企画……参加作品の感想②

 フィンディルさんの自主企画「あなたの小説の方角はどちら?」でありますが、二作目を突っ込みました。


 第96話で紹介した職場の男の子をモデルにした「甘剣」と同様、今回も彼を大々的に起用しています。前回は彼がアンドロイドだったので、「あれはあれで凄く面白かったのですが、普通の恋愛小説がいい」とかぬかしやがったので、じゃあ普通の恋愛小説を書いてやろうじゃん! って感じで一気に書き上げたのがコチラです。


「札男」

https://kakuyomu.jp/works/16817330653424081975


 普通の恋愛小説のつもりが……何故だか知らんけど、彼(霜川)はお札になっとるなあ。まあ、こういう事もあるよね。


 では参加作品の感想第二弾です。


「上蓋」/水木レナ様/真北

https://kakuyomu.jp/works/16817330653252758299


 人間関係というか、家族関係というか、なかなかアンビリーバボーな行為というか関係性が描かれていて、そしてそのアンビリーバボーな場面での感情を出さないように「上蓋」でとじているという、何か色々とぎょっとさせられる構成でした。


 これはコメディなのか。それともマジなのか。


 マジなら相当重い家族関係が描かれている訳ですが、最後のあたりで「便宜上フィクションとしなければ云々」とあって、これがコメディだったと白状されていたという訳です。上蓋。と言ったところで真北でした。


 

「冥契」/夜桜くらは様/北北西

https://kakuyomu.jp/works/16817330653336580412

 こちらの作品はいわゆる異形頭が登場する物語。異形頭にも色々あるようですが、今回は電球。最近珍しくなった白熱球です。

 異形頭にも色々種類があるようですし、世界人口の一割が異形頭のようですし、ジャンルはSFになっていましたが、ファンタジーにした方がしっくりくる世界観のような気もします。

 電球のライト(!)さんと主人公の女性との心温まるラブストーリーは好感が持てます。西が少し入ってるようですけど、自分としては東かなとも思ったり。実際は良くわかりませんが、真北かもしれないとも思ったりしました。


経立(ふったち)/朝吹様/東南

https://kakuyomu.jp/works/16817330653415820202

 こちらは遠野物語を参考にとあります。経立ふったちとは遠野物語に登場する妖怪のようですが、それとサンカと呼ばれる放浪民を重ね、浦島太郎などの異界探訪とも混ぜ合わせたような造りになっています。

 サンカの邑へ調査に赴いた学者が現地で死亡していた。はっきりわかる事実はこれだけなんですよね。後は曖昧。三次元世界に邑があって実際に赴いたのか。異界へと入ったのか。妖怪に化かされて食われただけで、その時に幻想を見せられたのか。そのあたりを敢えてぼかして幻想的に描いているのか。南向きというのはこうなのかもしれません。自分なら何かの問題を解決する解決する方向で書くと思うのですが、そうすると北向きになるのかな。


苦味/かしこまりこ様/真北

https://kakuyomu.jp/works/16817330653370438975

 こういうのは女性作家らしいと思います。そして「沼らせ男」ですよ。

妻がいるのに自分と浮気した男を懲らしめようと妻の元へ向かった主人公が、その妻に返り討ちにあってしまうという……なんともお気の毒な気持ちになってしまいます。読後感は悪い。

 その沼らせ男を仕事で見返してやるのか、本当に復讐するか、何かそういうものが欲しかったですね。いや、セックスまでしてあの態度は刺されて当然ですよ。


 本日はここまで。

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