小説ではありません。詩集です。

弥生リルカ

恋愛:春の夜に見る夢

まだ寒い3月の深夜 静まり帰った空気の中

見上げれば満開の桜と満月と星達が「お疲れ様」と言ってくれてるみたい


現実という喧騒から解き放たれて帰路を歩く


優しい春の夜の空気に抱かれているのは桜と私だけ

束の間の夢幻世界


ふと貴方を想い出しては言い聞かせるの

「叶うはずないよ」と


でも今だけは夢を見ていたい

桜と月と星達と私だけの秘密だから

そっと抱きしめて 何も言わないで

貴方を側に感じていたい ただそれだけ


手を伸ばした分だけ貴方は遠ざかる

埋められない心の壁

貴方の心に触れたいのに いつも上手くかわされてしまう

「ねえ、どうして優しくしてくれるの…?」

優しい人だから 他意はないのだと

分かっているわ


貴方がもし同じ気持ちだったら…と

束の間の夢を見る 夜桜と満月と共に


静かな春に見る夢は 

愛しい貴方への儚き想い


散りゆく予感は変えられそうになく

時間と共に桜はいつか吹雪を降らせる

私の想いと共に…


4月の気配はもうすぐそこまで来ていた



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