第96話 王城で豚汁!?
今レオンハルト様やシャルロッテ様、それと騎士様達と一緒に王城へ向かっている。今度は王城で王族や貴族達に食べて貰うんだけど、豚汁で良いんだろうか?
「そういえば、王城のみなさんに食べて貰うのに本当に豚汁で良いんですか?」
「ん? 何か問題があるかい?」
「カノンお姉さまの豚汁、とってもおいしかったですわ!」
レオンハルト様とシャルロッテ様にそう言われたので、そのまま豚汁を作っちゃおう。王城の庭の一画に竈が準備されていて、すぐにお鍋を出せるようになっていた。
そこにお鍋を置くと、材料を入れて錬金棒で豚汁を作る。作った豚汁にエリクサーを入れて混ぜたら完成っ!
今度はメイドさん達にも配るのを手伝って貰って、みんなに配って行く。
さすがに王都の貴族の人達や働いている人達の分もなので、何回か作って配る。なんとか全員に配り終わると、もう日が暮れかけていた。
終わると、レオンハルト様とシャルロッテ様と一緒に部屋に通された。そこで待っていると、国王様が来た。
「カノン様、ヴァイス様。この度は誠にありがとうございました」
『うむ』
「これで病気が収まると良いのですが……」
「それなのですが、カノン様にお願いがございます。周辺の街でも炊き出しをお願いしたいのですが、どうでしょう?」
確かに、王都だけ病気が治っても近くの街からまた病気が入ってくるかもしれないもんね。周辺の街でも病気が大分広がっているみたいだ。
『カノンはどうする?』
「うん、もちろん行くよ。ヴァイスはどう?」
『うむ。では、行くとするか』
「ありがとうございます」
「早く出発した方が良いですよね?」
「そうですね。準備が出来次第お願いしたいと思っております」
「どの街から行って欲しいとかありますか?」
「それはこちらで調整させていただきます」
「はい。よろしくお願いします」
明日は1日畑で収穫をしようかな。この国には他に4つの街がある。北にあるチェニア、西にあるベアクロ、南のリンドーロ、東のランタルの街だ。
さすがに4つの街の住民みんなに振舞うには、何回か収穫しないと足りないだろう。
「カノン様。材料はどうしましょうか?」
「明日収穫してきますね。なので1日待って頂けると助かります」
「では、我々も収穫のお手伝いに参ります。場所はどちらですか?」
明日は騎士様達がお手伝いに来てくれるみたいだけど、本当に良いんだろうか。騎士様って貴族の人も多いらしいんだよね。
「孤児院の前の土地に畑があるんです。そこで収穫します。でも、騎士様達に収穫して貰って良いんですか?」
「ええ、問題ありませんよ。何人か向かわせますね」
「はい、よろしくお願いします」
明日の収穫は何回か繰り返しても、人手があるからなんとか終わるかな。一応国からも材料の支給はあるしね。
話し合いの結果、明後日の早朝に出発。その日に炊き出しして宿泊。次の日も早朝から移動、炊き出し、宿泊と繰り返す予定だ。
本当は1日ずつ休日を入れたいけれど、病気がどんどん蔓延してしまうので早く対処しなきゃいけないから休日はなくす事になった。
私よりもきっと街の中を走り回る騎士様達の方が大変だと思うんだけどね。
今日はまたおにぎりを大量に作って、アイテムボックスに仕舞っておかないとね。どれくらい作ったら良いのか良く分からないけれど、大きなボウルと錬金棒も持って行って作れるようにしておかないとだね。
話し合いが終わった後は、お店に帰っておにぎりの準備を少しでもしておこう。ボウルじゃなくて、錬金釜に大量のお水とお塩を入れたらおにぎりが大量に出来るんじゃないかな?
楽しそうだし、やってみよう~。でもまずはお夕飯だね。今日は簡単に、ピザの種とポテトの種でお夕飯にしちゃおう。お茶を入れている間にコップに植えた種が実って、熱々のピザとポテトが出来上がった。
アルちゃんにはお湯と栄養剤を入れ直してあげる。
「きゅぅ~」
「今日は2人ともお疲れ様。明日からまた大変になるけれど、よろしくね」
「きゅっ!」
『任せておけ』
熱々のピザとポテトを美味しく食べたら、錬金部屋で錬金釜に大量のお水と塩を入れる。
『カノン。何をしているのだ?』
「ふふっ。ここに錬金棒をいれまーすっ!」
「きゅっ」
錬金棒を入れると、ぽんぽんぽんっ! とお皿に乗った山のようなおにぎりが沢山出来ていく。出来たおにぎりをどんどんアイテムボックスに仕舞う。
『また凄い事になったな。錬金部屋がおにぎりだらけだぞ』
「あはは、そうだねぇ」
「きゅきゅー」
「これなら一気に沢山出来るかなと思って、錬金釜を使ってみたんだよね~」
『なるほどな。これでもまだまだ足りないからな』
「そうなんだよね~。まだ後何十回かは作らないとダメだけどね~」
寝るまでの時間で沢山作ったけれど、まだ足りなそうだ。明日の夜作れば間にあうかな。
明日は朝早くから孤児院前の畑に向かわないとだから、そろそろ休もうかな。
「ふふっ。やっぱり疲れを癒すにはこれだよねっ。ヴァイスーっ!」
『ん、どうした!?』
「うふふふふ、気持ちいいっ。幸せ~癒される~」
ヴァイスを思いっきりもふもふすりすりして癒されてから寝る事にした。いつもふもふすりすりしても、本当に気持ちが良いよね~。毎日もふもふ出来て幸せです!
次の日畑に向かうと、私服姿のユリウス様達がいた。確かに、畑仕事するのに騎士服はダメだよね。
「今日もよろしくお願いします」
「カノン様、よろしくお願い致します。ですが、何も実っていませんが……どうするのですか?」
「それはこれからですね~」
「あれ、カノンおねぇちゃん?」
「あれ、レオナ。おはよう」
「この前の騎士様達?」
「うん、今日はまた沢山収穫しなきゃだから、お手伝いしてくれるんだよ」
「そうなんだ。私もみんな呼んでくるねっ!」
「無理しなくて良いからね?」
「うん、大丈夫~」
レオナは走って孤児院へ向かった。私はその間に錬金じょうろで手前からお水を撒いていく。錬金じょうろでお水を蒔いた所から次々にお野菜とかお肉が育っていく。
「「「「「「「ええぇぇぇっ!?」」」」」」
「ん、どうしました?」
「カノン様っ、どうしてお肉が実ってるんですかっ!!!」
「あー、それ私が作った種なので、お肉も実っちゃうんですよ~」
「しかも、さっきまで何も実っていなかったのに……」
「あはは、錬金じょうろのおかげですね~」
「な、なるほど」
私が錬金じょうろでお水を撒いて実った所を、騎士様達と孤児院の子達で収穫していって貰う。収穫した物は、私が作った収納バッグに次々に詰めて貰った。
「きゅきゅ~」
アルちゃんが上からアルちゃんの浸かっているお水を蒔いてくれた。アルちゃんのお湯を蒔いた後は、次に実らせる時に大きく美味しそうに育ってくれた。アルちゃんパワーは本当に凄いね。
アルちゃんにはお礼にお湯と栄養剤を足してあげると、いつもみたいに気持ちよさそうな声を出している。
何度も錬金じょうろで作物を実らせて、収穫を繰り返した。騎士様達や孤児院の子供達もみんな手伝ってくれたので、夕方にはかなりの量が収穫出来た。
明日はまずは北にあるチェニアの街へ行く事になったみたいだ。そこから反時計回りに回っていく事になったんだそう。なので、明日は早朝に北門に集合する事になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます