第91話 錬金術レベル30!
今日は屋台でレオナとビアンカに、白玉の生姜シロップ掛けの作り方を教えて、味見をして貰っている。
「カノンおねぇちゃん。これ、つるんともちっとしておいしいっ」
「うん。もちもちが美味しいし、ぽかぽかするのも良いね!」
「うん。生姜のシロップだから寒くなってきても、身体がぽかぽかして良いかなと思ったんだよね」
「ふふっ、良かった~。後はね、生姜シロップをお湯で割っても美味しいんだよ」
2人に飲んで貰うと、こっちも大好評だった。お水で割ってぽかぽかマドラーで作れるから、その方がすぐに温かく出来て良いかもしれないね。
「カノンおねぇちゃんの魔道具、とっても便利だよね」
「うん、このぽかぽかマドラーもとっても良い感じだよね」
「良かった~。そう言って貰えると嬉しいな」
今日は試しにかき氷と一緒に白玉も出してみる事になった。本当はかき氷に生姜シロップでも美味しいのだけどね~。
そういえば、屋台を出している時に使っていたひえひえ扇風機を今度はぽかぽかに変えないとだね。夜に作っておこうかな。
お店を開けて、いつものように商品を作ったり包装していると、エルナが来た。
「カノンっ、今度の新作も美味しかったよっ!」
「わっ、もう食べてくれたんだね。ありがとうね」
「それに食べた後から、身体がぽかぽかするのも良いね」
「うん。生姜は身体の中から温めてくれるから、これからの季節にちょうど良いかなと思ってね」
「また寒くなってきたら食べる!」
「ふふっ、ありがとう!」
話していると、気になった人が食べに行ってくれたりと、みんな気に入ってくれて良かった。美味しく食べて、体に良いと嬉しいよね。
この世界では、大体寒くなり始めてから2~3週間で本格的に寒くなるみたいだ。その頃から雪も降って外に出られなくなる日も多くなるみたいで、冬支度をそろそろ始めないとなのだね。
私はアイテムボックスがあるから保存食とか作らなくても大丈夫だけれど、街の人達はお肉を塩漬けにしたり、野菜を干しておいたりと忙しいみたいだ。
うちのお店では師匠が色々と魔道具を揃えてくれているので、薪もいらないし食材はアイテムボックスがあるから問題ないしで、特に準備する事がない感じだね。
お店に出す冬支度セットみたいなのがあると良いかな。
雪が降って外に出られなくても、必要な物と言ったら食べ物と飲み物だよね。後はぽかぽかマドラーもセットにしようかな。
1週間分のご飯と飲み物の種とぽかぽかマドラーをセットにしたらどうだろう?
お店のお客様に聞いてみると、すぐに欲しいと言われたので、そんな感じで良いみたいだ。種はすぐに出来るから、次々作ってしまおう~。
袋に食べ物と飲み物を分けて入れていく。それとぽかぽかマドラーを入れたら、準備完了。お店のレジの近くに置いておいた。
冒険者にも喜ばれたので、これは定番商品にしても良いかもしれないね。
ぽかぽかマドラーがない1週間分の種セットも準備しておこうかな。ぽかぽかマドラーは野営でスープを飲むときにも助かると、冒険者達からも好評だった。
「カノン。屋台の新しいメニューも良い感じだねぇ。美味しかったよ!」
「ベティーナさん。ありがとうございます」
そう声を掛けてくれたのは、お肉屋さんのベティーナさんだった。
「そうだ。冬支度で何かやっておいた方が良い事ってありますか?」
「そうだねぇ。食べ物はカノンの所は種もあるし、大丈夫だね。後は寒くなるから、火を使うための魔石と薪かねぇ。保存食はどうするんだい?」
「孤児院の保存食は作らないとですね~。私は種とかあるので大丈夫です」
「カノンの種は便利だものねぇ」
夜になって、錬金部屋でまずはぽかぽか扇風機を作っちゃおう。錬金釜の蓋を閉めて魔力を流すと、ミスリルのサーキュレーターの形が出来た。
そこに緑の魔石(中)と赤の魔石(中)を貼り付けて、2段階のスイッチが付いた扇風機を作る。鑑定してみると、ぽかぽか扇風機と書かれている。
『相変わらずカノンの作る物は面白いな』
「そう?」
「きゅぅ~」
「ふふっ、アルちゃんがぽかぽかで気持ちよさそうだねぇ」
「きゅきゅぅ~」
そういえば、持ち運び用の収納バッグが欲しかったんだよね。畑で取れた野菜を持ち運ぶとかにあると便利だなって思っていたんだよね。
生地を錬金釜に入れて、トートバッグを作ろうかな。錬金釜の蓋に手を置いて魔力を流すと、すぐにチーンと鳴って完成した。
『今日は何だ?』
「畑で収穫した物を運んだりするのに、収納バッグが欲しかったんだよね」
『なるほどな』
トートバッグをもう一度錬金釜に入れると、ぽふんと収納バッグに変わった。いくつか作っておこうかな。生地とトートバッグを作る工程、黒の魔石(大)と白の魔石(大)を貼り付ける、魔力を流すで出来るから。錬金釜に黒の魔石(大)と白の魔石(大)を入れれば出来るかな。
錬金釜に黒の魔石(大)を入れるとぽふん! と収納トートバッグが出来た。
「あれ、もしかして?」
自分を鑑定してみると、錬金術(省略)のレベルが30にあがっていた。
「おー、レベル30! 6個も省略出来るよ!」
『それはまたカノンがさらにおかしくなるのか』
「ヴァイスーっ!」
『ははっ。だが、おかしいのは本当だろう』
「いやいや、私はおかしくないよね!?」
『さあ、どうであろうな』
「えっ!?」
私、おかしかったかな。おかしくないよね? ヴァイスがそんな事ばかり言うから、私がおかしくなったのかと思うのだけど!?
6個省略出来るようになったから、いくつか収納トートバッグを作って置いた。
他にも何か作りたいな。あっ、お菓子だったらすぐ出来るかもしれない?
マドレーヌを作ってみようかな。必要材料は小麦粉、砂糖、卵、ふわふわの実で、混ぜるのと焼く工程だから、ちょうど6個で作れる気がする。
錬金釜の蓋を閉めて魔力を流すとすぐにぽふん! とお皿に乗ったマドレーヌが沢山出来た。
『また遊んでるな』
「ふふっ。やっぱりレベルがあがったらやってみないとね!」
『だろうな』
ヴァイスにも味見にマドレーヌをあげて、私も1個食べる。お茶は錬金マドラーで一瞬で出来てしまうので、お茶を入れるのも簡単なんだよね。
「そういえば、孤児院とか孤児院の畑の防犯を考えないとって思っていたんだよね」
『確かに、あの畑は問題ありすぎだろうからな』
「そ、そうかな?」
『あるだろ』
「きゅっ!」
「アルちゃんまで!?」
アルちゃんにまで言われてしまったので、防犯を考えないとだね。うちに付けている防犯ボタンを改良したら良いかな。魔力を登録した人は弾かないように出来たら良いかな。
白の魔石を追加したら出来そうな気がするね。錬金釜の蓋を閉めて魔力を流すとすぐに防犯ボタンが出来上がった。これに白の魔石(中)を貼り付けて、もう一度錬金釜に入れて魔力を流すと防犯ボタンが出来上がった。
「これに魔力を登録した人は通れるように出来たよ」
『ふむ、それはいいな』
「きゅ~」
「畑の防犯もこれにする?」
「きゅきゅ」
「ん? 違うの?」
「きゅきゅっ!」
「アルちゃんに任せるの?」
「きゅっ!!」
「じゃあ、お願いするね」
畑の防犯も作ろうと思ったけれど、アルちゃんが任せて! というので、お願いする事にした。どうやって畑を守るんだろう?
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