第27話 新世代

「あれは…噴水ですか?」

 巣の奥には氷で出来た見事な噴水があった。


「ああ。そうだ、お主ここで職業に就いて行くか?

 ちょうどサブクラスも一枠空いておるのだし」

 俺はクラスを確認する。


メインクラス 聖職者 レベル27

サブクラス1 ウォーリアー レベル23

サブクラス2 エンチャンター レベル25

サブクラス3 ランナー レベル23

サブクラス4 ハイキッカー レベル13

サブクラス5 未就職

合計 レベル111


 しばらく確認していないうちに随分と上がったな。

 新しく覚えた魔法は『セレモニー』『レジストアシスト』『ヘルスアシスト』の3つだ。『セレモニー』は大掛かりな儀式をすることで強力な付与を長時間掛ける。『レジストアシスト』は魔法への抵抗力が強くなる。『ヘルスアシスト』は免疫力が強くなるらしい。

 スキルは『受け身』『マラソン』『スパイキーキック』『アクセルキック』の4つた。『受け身』はそのまま受け身を取りやすくなる。『マラソン』は長時間加速する。『スパイキーキック』はつま先に魔力の棘が出現する。『アクセルキック』は蹴るときに加速できるらしい。


 今のところ『セレモニー』以外は使えそうだな。

 それにしても氷龍さん、ごく普通に人のクラスを見抜いているな。

 そういうスキルか?


 ふむ、ここでしか就けないクラスもあるみたいだな。

 結局俺が選んだのはアイスマンというクラスで、氷龍さんによると氷を纏って戦うらしい。

 覚えたスキルは『冷気耐性』だ。



カッカッ

「ん?なんだこの音は」

 巣の方からだ


カッ…ピシピシ

「おお!来たか!」

「キュイー!」

 おお!ちびっこ氷龍が生まれた!

 大きさは俺の膝ほど。鱗は小さいもののしっかり生えている。


 氷竜さんは早速ちび龍に付きっきりだ。


「んじゃ、俺らは帰ります」

「ええ、またのお越しを」


「僕は<アカデミー>の者に迎えに来てもらうけど君はどうするんだい?」

「俺は…新しいクラスの確認とかをしながら帰るよ。

 それとそろそろ別の狩り場にも行きたい」

「そうか、それじゃ今日でしばらくお別れだね」

「おう、またな!」



 山を下っているとした界がよく見える。


 まず南にファストがある。ファストは北を山脈、北東から南西を森に囲まれていて、この山からファストをつっきって川が通っている。むしろ川を中心に栄えたのだろう。

 森の川辺には湿地が広がっていて、プラントゴーレムがいるらしい。

 その向こうは川や森、草原などが交互に続き、遥か遠くに海が見える。


 そしてファストの東側には草原があり、草原は北西に街があり南西に王都がある。村はちらほら見える。

 草原の更に向こうには霞んでいるが山脈があり、北の山脈と繋がっているらしい。


 その向こうは盆地を挟んで魔王領とのこと。魔王は昔は人間と戦争していたが、今は立憲君主制を強いて君臨すれども統治せずな状態。と、公式が言っていた。

 これからはとりあえず王都を目指して、その次に魔王領にでも行こうか。



 首尾よく蜘蛛型ゴーレムを見つけた。

 俺は今回初めて使うメイスを取り出した。


 蜘蛛型ゴーレムは寄ってきて、右前足を上げる。

 そこにメイスを叩きつける!


ゴッ!

 メイスを使うと、足を構成する大きな石にヒビが入った。

 まあ有効か。

 俺は左手に小太刀、右手にメイスを持っ蜘蛛型ゴーレムを破壊した。

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