第一章 長針と短針が全て狂う時

冷酷だった性格とエロ

第1話 冷酷と嫌悪の性格が180度で変わった義妹

例えばの話であるが。

1年ぐらい引き篭もっている義妹である少女が居るとする。

その少女が義兄の部屋に勝手に忍び込み義兄のパソコンに保存されたエロ動画を無断で観て.....その部屋でエッチで卑猥な事をしていたとする。


その当人の義兄は何と反応したら良いのだろうか?

1年ぐらい引き篭もって当然、俺どころか誰とも会ってないのだが.....である。

エッチな事がバレた義妹はガバッと起きてから俺を見てから目を丸くする。


「.....お。お兄ちゃん.....!?」


「ちょっと.....え!?.....何やってんのお前!?!?!」


そんな考えもそうだが割とマジにヤバいんですけど!?

コイツ.....コイツ!

秘部をパンツ越しに弄っている!

何でだよ!!!!!

つうか部屋からも出ずにずっと引き篭もっていた筈では!?



甘味裕太郎(かんみゆうたろう)。

高1の俺の名前であるが。


16歳で前髪が若干、親父方の爺さん譲りの遺伝でクルクル髪をしている.....そこら辺にいる男子生徒だ。

顔立ちは微妙で.....まあニキビ痕が少しだけある。

何というかそんな俺だがその甘味という名前でよく馬鹿にされている。


以前も女子に嘘告白されて.....イジメを受けた。

そのお陰でまあ女子を信じれなくなったのだが.....である。

それが俺だ。


お前って舐めたら甘いの?、とか小馬鹿にされる。

そんな甘味という名に関してもありイマイチな感じで日常を生きていた。

俺はまあ甘味は気にはならないけど。

クラスとはそれなりに仲が良いので、である。


イジられても、だ。

昔みたいにイジメを受けている訳では無いので、である。

寧ろ理解者が多い。

そんな取り敢えずの陽キャの俺には引き篭もりの女子の家族が居る。

性格が冷徹過ぎる、だ。


より正確に言えば俺の義妹だが.....美少女で成績が相当優秀で抜け目が無さすぎる癖に割に学校に全然行ってない、と言える。

それは何故かと言えば1年近く部屋に引き篭もっているから、だ。


8050問題とかよく言うけど.....義妹は冷徹な性格のまま14歳の頃から引き篭もっている。

なので5015問題とか言えるかもな。


現在15歳で名前を甘味美玖(かんみみく)という。

超絶美少女である。

多分外に出ればモデルになれると思う。


なのに稀に会う時には美玖はボサボサの黒髪をガサツに縛って伊達眼鏡を掛けてTシャツでそれなりに周りに目立たない様にしている様な残念系冷徹美少女だ。

何というかたまにしか風呂に入らない。

そんな義妹の美玖だがそうだな。

俺は仲良くして良いと思っているが残念ながら仲は良くない。


何というか美玖は本気の真面目人間だったから。

だから自らの視界に入っている俺を義兄とは思わず赤の他人で論外の様な感じで嫌う様に俺を見ていた。

それはまあ1年前の話だけど、だ。


今日も美玖の母親さんに、美玖にお菓子持って行ってくれない?、と言われたので美玖の部屋のドアの前にお菓子を持って行こうと階段に足を乗せる。

今日は学校の予定がずれて早めに帰って来たのだが.....ん?

何だ一体。


「.....俺の部屋の電気が.....点いている?」


朝方に家を出て電気が点いてない筈の俺の部屋の電気が何故か点いている。

どういう事だ、と思い覗くと。

そこで、あぁん、と声を隠す様な喘ぎ声が聞こえた。

甘い甘い声だ。

女性.....の?か?.....って、え?


「ああ!いい!」


「.....ふぁ.....!?」


俺は驚愕して顎が落ちる。

何故か知らないが.....その冷徹義妹が.....必死に股間を弄っている。

パンツ越しに股間をびっしょり濡らして.....俺の部屋の俺のパソコンでAV動画を観ているのだが.....。


いやちょっと待て何してんだコイツ.....えぇ!!!!?

引き篭もりだろお前!?

ウッソだろ!?

コイツマジに何してんの!


「いい.....完璧.....凄い.....ヤバいイキそ.....」


「.....」


ゴメン愕然過ぎて何も言えないんだが。

というか.....何コレ?マジにどうなってんの?

あの冷徹義妹だぞ。

俺を嫌っている存在だぞ。


そんな眼前の様子に青ざめながら居るとドアが開いてしまった。

その音に気が付いた美玖が勢い良く顔を上げる。

そして俺を驚きの目で見てくる。

必死過ぎてか汗だくだくで、である。


「お.....お兄ちゃん!?」


「お、お前!!!!!何してんだ!俺のパソコンのAV.....って言うか開く為のパスワードをどう知った!?何処にも書いてなかっただろ!」


「.....そんなもの.....というか久々だね?お兄ちゃん。.....っていうか女子が、部屋でオ◯ニーをしていたのにそれにはツッコミ無し?」


「いや確かにそうだけど!!!!!って言うか俺はかなり混乱しているからな!!!!!本気でなんちゅう事をして言うんだ!!!!!」


本気で真っ赤になる俺。

しかし.....これに対しても美玖は全く動揺してない。

それどころか湯気を発しながら興奮状態でクスクスと言ってニヤッとした。


もー。えっち、と言いながら、である。

俺は.....愕然とする。

え?ちょっと待って何コイツ?


「.....お兄ちゃんのえっち.....」


「.....お、お、お前.....冗談だろ。何でそんなに動揺してないんだ!?本当に俺の義妹か!?」


「私〜?そうだね。.....ずっとだったけどお兄ちゃんが好きだから気にしないし.....?ウフフ。エッチな気持ちになっているし〜」


ゴメン。聞き間違いですかね?.....俺を好きって!?

かなりの衝撃すぎてかなり汗が出てきた。

何だって?俺が好き?


え?嘘だろお前、と思う。

あんな性格だったのに何でだよ!!!!?

だんだんギシッとベッドを降りて近付いて来る美玖。

後退りする俺。

そして美玖はまた近付く。


「えっと.....これ.....夢ですかね?」


「.....違うよ?夢じゃないよ?.....私はお兄ちゃんが好きだから。現実だよ.....?」


「何で引き篭もっていた筈のしかも俺を嫌っていた筈のお前が俺を好いているんだよ!嘘だろお前!?」


「こういう事だって珍しく無いよね?もー。お兄ちゃん。.....ここもそれなりにヤバいじゃない.....」


所謂、男の部分に触れてくる美玖。

ここまで全てが変わっているとは!!!!!

しかもこれアカン。

考えながら俺は美玖の肩に手を添える。

それから汗を流した。


「.....止めろ。良い加減にしろ。.....久々に会ってこれか?.....冗談だろ。勘弁してくれよ」


「そんな真面目になってもここは真面目になって無いしねぇ.....アハハ」


「いや!?話聞けよってか何でそんなエロくなってんだよ!アホか!?」


「ずっと引き篭もっていて股間弄りすぎて私は馬鹿になっちゃったんだ。アハッ」


てへぺろ、と平然と告白する美玖。

それから崩れた俺にどんどん四つん這いで近付いて来る。

ヤバいわこれ、理性が吹っ飛ぶ。

考えて俺は最後の力を振り絞って立ち上がった。

そして、オラァ、と絶叫する。


「ゴメンな!俺、勉強の用事があるから!」


「え!?.....ちょ!お兄ちゃん!?」


俺は必死にもがいて逃走した。

幾ら何でも性格が変わり過ぎだ!

あんなに俺を嫌っていたのに!?!?!

ウッソだろお前、って感じだ!

本格的にどうなっている!?


「.....」


引き篭もる前は.....ゲームも出来ずの勉強だけが全ての女子だった美玖。

真面目人間で律儀でまるでそのエロとは無縁で冷たかったのだが。

それすらも無くなっている。


本当に冷ややかだったんだ。

親父に.....勉強しか教えてもらってなかったアイツ。

それなのに甘々のエッチな子になってしまっているのだが。

いや、エロの化け物だあれは。


何だか偉く違うもんに会ってしまった。

それも何というか.....完璧に、だ。

1年近く引き篭もったせいなのだろうか?

そして言っていた事が本当なのか?


「.....いやでも.....しかし有り得ない。あんなの.....信じられない。.....義妹じゃ無い」


俺は頭を掻き毟りながらエロい義妹の事を考えて.....逃走する。

甘いというかエロ過ぎてヤバい。

そしてコンビニに逃走する様に向かった。


下半身を何とかしながら、であるが.....。

マジに何であんなに冷徹な性格が逆転する様に。

そして180度の様に変わってんの。

勘弁してくれよ.....。

考えながら俺は避難する様にコンビニに入った。

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