第八十話

「…ありえないありえないありえない!!!こんなに早く覚醒するなど!あってはならない!」


「知るか、そういや勇者になった事だし何か変わってるかなっと…ステータス」



名前 リュート・レギオス


レベル:1


職業 A級冒険者


称号 勇者・転生者・強欲の化身・元魔王・薄情者


適性 光・闇


スキル:肩代わり・無限の可能性


体力 凄い


魔力 超凄い


力 中々凄い


防御力 凄い


速さ 凄く速い


女神の祝福一覧


魔力感知・補助精霊



…レベル制に変わってる?!というか祝福も2つ貰ってる?!普通1個じゃないの、女神めちゃくちゃ太っ腹だよ!ありがとう女神エルシュラ様…信者になります!


「…祝福試してみるか、魔力感知」


祝福を使った瞬間、見ている全てに変化が訪れた


「なんだこれ…周りの魔力が目に見える、自分の魔力のようにハッキリと鮮明に」


冒険者の時にボスと戦って身につけた自分の魔力を感じ取る技術が周りの人物や物まで感じ取れるようになったようだ


「…凄いな祝福、初めて魔力を感じ取った時の様な世界が変わった感じを思い出すよ」


「何をぶつぶつ独り言を言っているのだ…!覚醒したとて貴様も体力の限界だろう、もう一度ガキどもを切り刻んでやる!」


「やらせるか!」


俺は1つの魔力を探す


「…どこだ…魔力があるはずだ…」


どこかに神父が言う魔力を遮断する仕掛けがあるはずだ、その魔力を探せれば…


「そこか!」


短剣を魔力が見える方へ投げる


「なに?!何故だ…何故わかった!」


隠してあった装置に短剣が刺さり、装置は壊れ神父の周りの仕掛けは解かれたようだ


「やめろ…!」


「無属性魔法:圧縮魔弾」


「ぐはっあああ!!」


よし、神父に当たった!今のうちに子供達を助けよう


「大丈夫か…!」


「「「我が神の計画の為に…」」」


ちっ…子供達も操られている


「1人ずつ解いてたんじゃ時間がかかり過ぎるな…」


同時にやれるといいんだけど…うーん…


「もしかしたらもう1つの祝福で解決出来るかな」


魔力感知みたいにめちゃくちゃ凄そうだし


「補助精霊」


『お呼びですかリュート様』


誰?!


『どんな御要望にもお答えします、サポート専用精霊です。お名前は好きな様にお呼びください』


な、なるほど…補助精霊ってそういう…名前か、どうしよう…?その…例えば君は何ができるの?


『例えば相手の分析、状況の把握、整理、ステータスの詳細な情報をお教えして、称号の管理もしています。』


へぇ…凄い便利だなぁ…


ん?称号の管理?も、もしかして変な称号を追加してたのって!


『…お答えできません』


さっきどんな御要望にも答えるって言ったじゃないか!黙秘はYESと捉えるからな!


『計算の結果、リュート様が九割悪いと出ました。よって私は無実です』


何の計算してんだよ!計算する必要ないよね!


『それより複数の対象に魔法を使いたいのですよね?私なら答えを知っていますが、知りたくないんですか?』


女神エルシュラ様この人?精霊?チェンジで!勇者脅してきてるよ!


『チェンジは不可能です、これからもずっとよろしくお願いしますねリュート様』


俺…これからが不安になってきたなぁ…


「…ぐふ…はぁ…」


アイツが起き始めてる、ちっ…威力を抑えすぎたか


「…とりあえずステさん、どうやって複数の対象に魔法を使えるの?」


『ステさん…ステータスだからですか?ぷぷ、随分安直なんですね』


…1回ぶん殴ってやろうかな


『冗談です、ステさんで名前を登録します。…登録しました、複数対象魔法の答えですが魔力感知を使えば可能です』


魔力感知で?


『はい、魔力感知により魔力干渉が強化され複数の対象を同時に干渉出来るはずです』


「…なるほど、じゃ、やってみるか」


まずは魔力感知で触れなくてもアイツの魔力が何処にあるか目で見れるから…なるほど大体位置はわかった


「…無属性魔法:魔力多重干渉」


凄いな、離れていても相手に干渉出来る…2mが限界っぽいけど、十分だ


「「ぐ…うう…」」


「…悪いね、もうちょっと辛抱してくれ」


「複合魔法:多重洗脳解除」


「「「ぐわあああ!」」」


「今だ!複合魔法:光聖魔弾:10連!」


『成功です、子供達の洗脳は全て解けました』


「よし!みんな大丈夫か?」


「…ここは?あなただあれ?」


「俺は…悪い奴を倒しに来た勇者さ」


「そんなんだー!」


「かっこいい!」


「あなた達!良かった…!」


「あ、シスターだ!」


「わぁーい!」


「うっ…うっ…ありがとうございます勇者様…なんとお礼を言ったら…」


「いいさ、大丈夫そうで良かった」


「…おの…れぇ!勇者ぁ!!」


「シスター…子供達とミリシャを連れて逃げるんだ」


「わ、分かりました。どうかご無事で!」


「に、にがす…かぁ!わが…我が神よ!私に!御加護をおお!」


神父はナイフを仲間の黒フードに突き刺した


「なっ…」


「ぐふあ!神父様…何故!」


「くははは!我が神の生贄になるんだ!光栄に思え!ははは!」


「ぐふ…」


黒フード達から黒いオーラが溢れ出し、神父へと吸収されていく


「きた…来たぞ、これがベル様の御加護!ぐうう!アアア!」


神父の見た目が変わっていく、まるでその見た目は…


「…ぐひひ…勇シャもコレでオシまいだ!」


あの時のダンジョンで戦ったオークのようだった

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