第六十六話

「よーし!てめぇらが依頼を受けた冒険者共だな!まずは礼を言おう!!ありがとう!!!」


「何この熱さを具現化したような人は」


「おいバカこの人が依頼人のアックナルーヨさんだ」


名前に性格引っ張られすぎだろ


「てめぇらにはこのピッケルを持って鉱山を掘ってもらう!!!わかったか!!」


「は、はい!大将!」


姉上はなんでノリノリなの?大将ってなに?というかいつの間に鉱夫みたいな格好してるの?早業だね


「ほう、嬢ちゃんは見込みがありそうじゃねぇか!!!その意気だ!!ガッハッハッ!!!」


「多分この人のせいでこの鉱山の温度高くなってるよね?今真夏だし死んじゃうよ」


「ガッハッハッ!!!そう褒めるな!!!」


褒めてないなぁ…ああ…想像していた魔石採掘と全然違った…



「よーし!!!魔石100キロ採掘するまで帰れないと思え!!!」


「「「イエッサー!!」」」


「うっ…うっ…俺は何をしてるんだろう…」


「おら!そこの坊主!泣くなら掘る!」


「いえっさー…」


「声がちいせぇ!!」


「イエッサー!!」


「やれば出来るじゃねぇか!!ガッハッハッ!」


俺…この採掘が終わったら甘い物沢山食べるんだ…


「ふぅ…大将!この魔石どうですか!!」


「見せてみろ!!中々上物だ!!!やはり嬢ちゃんは筋がいい!!!鉱夫長に昇格してやる!!」


「ありがとうございます!!!大将!!」


馴染みすぎでは…?ただ手伝いに来ただけなのに昇格しちゃったよこの姉


「そっちの嬢ちゃんも頑張れよ!!!」


「い、イエッサー!!うおおおおぉ!!」


イリスもめちゃくちゃ頑張ってるな〜…はぁ…俺も頑張るか


「無属性魔法:魔力超速:6倍速」


強化してさっさと終わらせる!!


「うおおおおぉりゃあああああ!!!!」


「坊主やるじゃねぇか!!!俺も負けてられないな!!!!うおおおおぉ!!!!」


そこから数時間後…



「カヒュー…カヒュー…し、死ぬ…」


「リュート…ごめんね…お姉ちゃん…もうダメみたい…うっ…」


「うう…身体中が痛いよぉ…」


「助かったぞ!!!!これでかなりの魔石が集まった!!!これは約束の報酬だ!!」


「ん…ありがとうございます…あれ…ちょっと多いですよ?」


「頑張ってくれたからな!!報酬をはずんでおいた!!ありがとう!!!てめぇら!!!」


「「「大将…!!イエッサー!!!」」」



多分3人の仲はより深まったような気がした




ある喫茶店では…


「アリアちゃんはリュウ君達とついて行かなくて良かったの?」


「ええ、今回は魔石採掘ですし危険も無いですからね。それに…こうしてたまにはゆっくりするのもいいものです」


「ふふ、そうね…こんなにまったりとした時間を過ごすのは久しぶりだわ」


「…あの少し聞きたいんですけど、マリンさんってリュート様の事…本当に弟としてしか思っていないんですか?」


「ふぇ…そ、そ、そうよ!それ以外にな、何があるのかしら」


「例えば…異性として好意を抱いてる…とか」


「っ…そ、そんなこと…」


「あるんでしょう?」


「…ええ、でもまだあの子は10歳なのよ?歳も離れてるのに…」


「だからその気持ちを抑えてるんですね?」


「そうね…リュウ君には私なんかより他にも沢山素敵な人がいるわ…」


「ふむ…所でマリンさんは一夫多妻は大丈夫な感じですか?」


「え…?ええ、別にいいと思うわ」


「なるほど」


アリアは紙にメモをしている


「それは…?」


「ち、ちょっとした調査ですよ、それよりリュート様は年齢なんか気にしない方なので安心してください」


「え…」


「貴方もリュート様にとって大切な人なんですから、抑えなくてもいいと思いますよ?」


「アリアちゃん…本当に…私…いいのかしら」


「ええ、ですからちょっとお耳に入れたいことが…」


「何かしら?」


こうしてリュートの知らない所でアリアの計画は進んでいく…

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