第五十九話
俺とロディ先生にはステータス差があるはずだ。
この世界の常識であるステータス、己を表す数字。その数値が高ければ高いほど最強に近づくと言われている。ただしこの世界は現実だ、力だけではなく技術も磨かねば技術が力に負ける事もある。
だがステータスの差が広がると技術だけではカバー出来ないはずだ、ロディ先生はあの技を技術を極限にまで高めた技と言った。まさか圧倒的ステータスの差を埋めるほどの技術がこの世にあるのだろうか?
技術を除けば考えられるのは魔法か…?だけど先生は炎魔法しか使えないはず
「どうしたんだい、そんな難しい顔をして。来ないならコチラから行かせてもらうよ?」
「っ!」
肩の傷がまだ浅いから良かったが、次斬られたら終わる…!とにかく避けないと…!
「迅鈴刃流:一式:刹那切り」
全力を出すしかない…!こちらも殺す気で行かなければ!
「無属性魔法:魔力超速:6倍速!」
6倍速により一瞬ロディ先生が動くのが見えた
一年で6倍まで行けるようになっててよかった…!これならギリギリ避けられる!
「…まさか避けられるなんてね」
「はは…ギリギリですけどね」
ちょっと肩の傷がヤバいな、治すか
「光魔法:中癒回復」
回復魔法も中癒まで使えるようになり浅い傷ならすぐ治せるようになった
「ああ…ここまでとは思わなかった…!君は素晴らしいな!!あはは!あの技を避けるとは!!」
ええ…いきなり変なテンションになっちゃったよ、怖い。ルシュ助けて
ルシュに視線をやるが逸らされた、薄情者め!さっきまでロディ先生を睨みつけてたくせに!
「ああぁ…ここまでの強者と出会うのは初めてだ…育てたかいがあった…リュート君…」
「すみませんウットリとした目で見ないでください、そういう趣味は無いです」
「はは、まだ冗談を言える程体力はある様だね…それじゃあ…もっと楽しもう!」
また殺気が強まった、死の感覚を感じる。
はぁ…やるしかないか
「無属性魔法:圧縮魔弾:1000連」
「くっ…?!」
なんだこの感覚は、リュート君は何をした?まるで剣を喉に突きつけられているような。死を思い出させるようなこの感覚は…!
「見えないでしょう?今ロディ先生の周り全部魔法で囲んでるんですけどね」
わざわざ教えてくれるなんて余程自信があるのだろう
だが僕はそう簡単にはやられないよ
「…なるほど、ならば…全部防ぐだけだ」
見せてあげようリュート君、これが僕の全力だ
「迅鈴刃流:二式:鈴静居合い《りんせいいあい》」
圧縮魔弾がロディ先生に降り注ぐ、とてつもない轟音と共に。
「な…防げてるのか…全部?」
ロディ先生は剣を納刀する構えをとると、目にも止まらぬ速さで魔弾を切り落としていく
「まず剣で魔法を切ってるのが信じられないよ…」
1000発の魔弾が斬られていく、このままじゃ負ける…!こうなりゃあれだ!
「複合魔法:光聖魔弾:100連」
複合魔法の魔弾を更に100発追加した…これなら
「まだだ…よ!迅鈴刃流:三式:
消え…
「…終わりだ」
気づいたら目の前まで迫っていた、この剣で突き刺して来るつもりだろう。俺は死んで…
「たまるかぁああ!!!」
俺は自分の腕を前に出した、剣は腕を貫通し胸ギリギリの所で止まる
「なにっ!」
「痛てぇ!くっ…悪いな先生、まだ俺死ねないんだ」
あの時のように諦めたりはしない!
「無属性魔法:魔力干渉!」
俺は刺された腕から魔力を流しロディ先生の中へと流し入れる。
「ぐっ…この感覚は…」
魔力を探ってみると…そうか…やっぱり…
「…はは、なるほど…分かったぜ…ようやく、先生の使ってる技の正体」
「なんだと…?いくら君でもこの技は見抜けたり出来ないはずだ」
「先生忘れたの?俺、天才なんでね」
「くっ…!」
剣を抜くと下がったロディ先生、どうやら焦っているようだ。
「馬鹿な…これは僕ですら15年もの年月を費やした技だ、この流派を使える者は僕以外いないほどに…至高の技なんだ」
そりゃそうだろうな、これは才能がいる。なんたってその技を使うには無属性魔法が必要なのだから
ロディ先生が炎魔法以外に使える魔法はもう1つあった、それが無属性魔法。誰でも使える魔法だ。
まさかロディ先生も無属性魔法が使えたなんて…多分無意識に使っているみたいだけど。
だが、ただ無属性魔法を使ってもあんな芸当は出来ない。俺とロディ先生の無属性魔法になんの違いがあるか…それさえ分かれば、勝てる希望はある
もう1回食らう必要があるな…今、ロディ先生の中には俺の魔力が混ざっている。だから少しだけなら離れていてもロディ先生が魔力をどういう使い方をしているか分かるはずだ
俺は腕を治療しながら覚悟を決める
三章がロディ先生ばかりの話になってて実質ロディ先生編見たいになっちゃってますけど次で終わるはず…
多分ですけど…
ここまで読んでいただきありがとうございますっ!応援、レビューがモチベになりますのでよろしくお願いします!
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