第三十七話

E級討伐のクエストを受け続けて数日が経った、ひたすら狩ったおかげで俺はFからEに昇格、D級のクエストを受けれる様になった(イリスがいれば)


「おめでとう〜リュウ君、晴れてD級だわ〜」


「やったなリュウ」


「ありがとうマリン姉ちゃん、イリス」


魔物を殺す事にもある程度気持ちに整理がついた、それにより手の震えもしなくなった


「じゃ、早速受けるかD級クエスト!」


「そういえばD級はどういうクエストがあるの?」


「D級は魔物討伐はもちろん魔物の巣の調査や探索もクエストになる事があるわね」


「へぇ〜」


ゴブリンとかの巣の調査か…なんか嫌だな…臭そう


「おいおいD級の1番の醍醐味はあれだろう」


「あらそうね、そういえばD級からだったわね」


「あ、あれとは…?」


「ふっそれは…ダンジョン探索だよ!ダンジョン!」


「ダン…ジョン…!!」


マジかよこの世界ダンジョンがあるのか!!!


「D級から下級ダンジョンに立ち入ることが許されるんだぜ、そりゃ行くしかないよ」


「でもダンジョンはとても危険だしリュウ君が心配だわ…」


「俺なら平気だよマリン姉ちゃん、自分を鍛えるにはちょうど良さそうだし」


「そう…無茶しちゃダメよ?」


「うん、ありがとうマリン姉ちゃん」


「よぉし、行こうぜ!」


「うん!」


「と、その前にクエストを受けなきゃ…うーんスケルトンの骨納品でいっか」


「スケルトンの骨なんて納品して意味あるの…?」


「そりゃ…あるんじゃないか?知らんけど」


「武器や防具に使うのよ、後は砕いて肥料としても使うわね」


「なるほど…結構需要あるんだね」


「スケルトンさまさまだな」


「うん、じゃあ行こうか」


「おっけ〜、マリンこれ頼むな」


「分かったわ、行ってらっしゃい〜」


「「行ってきまーす」」





「コソコソ…コソコソ…」


「…まさか付いてくるのか…」


「誰が?」


「い、いやなんでもないよ」


「…?そうか」


最近ずっと監視してるけど、何かあるのだろうか…?もしかして王様かロディ先生に頼まれて見守ってくれてるのかな、嬉しいけどそれなら隠れる必要あるのだろうか…?もしかしてアリアが独断で…まさかな


「ふふ…」


「ひえ…」


どす黒いオーラがここまで伝わってくる、隠れててもそのねっとりとしたオーラで台無しだよ


まぁ、ダンジョンは流石に入って来れないだろうし大丈夫だろう



えっ大丈夫だよね?



首都ミラノワを出て北にしばらく歩くと下級ダンジョンが見えてきた、結構近いんだな


「よしついたぞ〜ここが下級ダンジョンだ」


「おお〜なんか遺跡っぽくていかにもダンジョンみたいな見た目ですね」


「まぁな、ただ中には魔物がうじゃうじゃいるから気を引き締めろよ?」


「分かった」


「今日は1階と行けたら2階でスケルトン狩りをするからそのつもりでな」


「了解!」


とうとうダンジョンの中に入る、結構明るいな。外よりは暗いが、魔物と戦う分には十分な明るさだ


ただし広さはそんなにないから囲まれたりしたらヤバそうだ


「いた、スケルトン2匹だ」


前方に人型の骨がカタカタと音を鳴らしながら歩いている、怖っ!俺ホラー系は苦手なんですけど


「じゃあどっちが行く?」


「レディーファーストという事で」


「…ここで使うのは間違ってるだろ、まぁいいけど」


すまんな、恨むならホラー系の見た目したスケルトンを恨んでおくれ


「カタカタ?」


イリスがスケルトンへ走る、今回は魔法は使わないみたいだ


「そらっ!」


「カタ!」


イリスが殴るとスケルトンが吹き飛ぶ、イリスの武器は拳、正確に言えばガントレットだ。獣人族は力が他の種族に比べ強いらしく下手に武器を使うより殴った方が早いみたいだ、どこかの戦闘民族かな?


「おらおらっ!」


「カタっ!」


最早砕く勢いでぶん殴っている、イリスを怒らせるのはやめよう。俺はそう誓った


「ふぅ…余裕だな」


「いやーやっぱりイリス強いな〜」


「まぁな!もっと褒めてくれてもいいんだぞ」


ドヤ顔でこちらを見る、うんなんかムカつくので褒めるのはやめよう


「次は俺がやるからイリスは休んでて」


「ちぇ、褒めろよ〜」


「次もイリスがやるという事でいいんだね」


「じ、冗談冗談…リュウがやってください」


「分かった、行こう」


またしばらく進むとスケルトンがいた、今度は5匹か…結構多いな


「いるな、でも数が多いな〜やれるか?リュウ」


「うん、多分大丈夫」


「おっけ、じゃ頑張り」


俺も今回は魔法無しでいいか、一応訓練でここに来てるつもりだし


スケルトンに向かって走り出す、素早く無駄を無くし相手に致命傷を与える。これが5年間で鍛えた戦い方だ


「カタタ!」


まずは1匹、首を切り落とす。骨だけど


「カタッ!」


2匹目、心臓は無さそうなので素早く切り刻む


「カタカタ!」


3匹目、気づかれたが既に首を切った


「カタッ!」


「カタタ!」


4匹目と5匹目は流石に攻撃してきたか…だけど遅いな


「はぁっ…!」


4匹目の攻撃に合わせカウンターを浴びせる


5匹目は…なんかめんどくさくなったので適当に切り刻んだ


「俺だけ扱い酷いカタ…」


「今喋った…?!」


いや魔物が喋るわけないか、気の所為だろう


「おお〜相変わらず無駄のない動きだな〜、てか速すぎだろ」


「まぁね」


「これなら2階に降りても良さそうだな」


「うん、というかこのダンジョンどこまで続いてるの?」


「確か地下10階までだったぞ」


「案外短いんだね」


「下級だからな、中級上級になってくると地下100階まであるらしいからな」


「それは…キツそうだ」


「ま、まだ行くのは先だし今はスケルトンに集中しようぜ」


「そうだね、それじゃ2階に降りよう」



2階は一体どんな魔物が居るのだろうか



「コソコソ…」


「えっ?」


ま、まさかな…



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