第二十二話

勇者戦記を読み終わった


なんか想像の100倍重い話だったんだが?!うわ俺めちゃくちゃやばいじゃん!魔王凄い強そうだしさ!できるのか?俺に?大切な人を守りながら?荷が重すぎませんかねぇ?!


と、とりあえず全力で死ぬのを回避しようそうしよう


「俺のセカンドライフ難易度ベリーハード過ぎない?」


それはそうと勇者は最後なんて言ったんだろう?多分日本語で言ったんだよな、うーむ分からん


それに仲間を殺されて憎んだはずの魔族と平和協定なんて…その理由をなんとか調べればもしかしたら死を回避出来るかもしれないな。多分


さ、今日はここまでにして魔法の訓練して寝よう…


そしてロディ先生の訓練が始まるまでの間、エリスの庭園に遊びに行ったり魔法の訓練をして時間を潰した


それとルシュはどうやら許可は貰えなかったらしい、危険すぎるもんな。でもルシュは落ち込んではいなかった、なんでだろう?何か別の策でもあるのかな?無茶しなきゃいいけど…


そうこうしているとロディ先生の訓練再開の日になった。魔法の訓練を終わらせ訓練所へ向かう


「やぁ、リュート君。待ってたよ」


「どうも、僕もずっとこの訓練を待ってましたよ」


「はは、気持ちはお互い同じみたいだね。じゃあ早速今日の訓練を…と言いたいけど1つお知らせがあるんだ」


「お知らせ?」


あれなんか嫌な予感が


「さぁ此方へ、ルシュ王子」


「よっ、リュート」


「ルシュ?!なんでここに…?」


「実はロディ団長に鍛えてもらう事にしたんだ」


「ふぁっ?!ど、どうして?」


「勇者の仲間の件を父様に断られたのは知ってるだろ?それでさ何とか食い下がったら父様が条件付きなら許すって言ったんだ」


「その条件って…」


「鍛えてロディ団長を超える事が出来れば勇者の仲間になる事を許す、だってさ」


国王陛下もあの熱意には負けたか…ただロディ先生を超えるなんてほぼ不可能だし結局はならせないつもりなんだろうな、


「なるほど…出来るの?」


「さぁな、でも超えるさ。な、ロディ団長」


「ふふ、そう簡単には越えさせませんよ?」


国で1番強いと言われてるロディ先生を超えたら確かに魔族とも戦えはするだろうけど、まぁここは友達として応援しよう、複雑な気持ちだけど…


「はは、頑張ってねルシュ」


「ああ、ちゃんと勇者の仲間の枠空けとけよ?」


「うん、分かった」


「さて、説明も終わりましたし訓練を始めましょうか」


「はい!」


「おう!」


「ああ、それとルシュ王子。訓練中は1教え子として接するので御無礼をお許しください」


「全然いいぜ、俺も先生って呼ぶから!それより訓練は何するんだ?」


「ふふ、そう焦らなくても訓練は逃げないよルシュ君、いや逃がしてくれない…が正しいかな」


「っ!」


ロディ先生怖ぇ…王子相手でも容赦ないなこれは、チビりそう


「今日はとりあえず体力作りをしようか、この訓練所は中々広いからそうだな〜、訓練所の外周を200周走ってもらおうかな」


えっ200周?桁間違えてません?忘れてるかも知れませんが僕とルシュまだ4歳児ですけど?


「200?!無理だろ絶対!」


「ふふ、辞めてもいいんだよ?僕を超えなくていいって言うのならね」


「くっ!やってやるよ!ちくしょーー!!!」


ルシュが勢いよく走っていく、そんなに飛ばして大丈夫だろうか…


「さ、リュート君も頑張って」


「は、はい!」


こうなりゃがむしゃらにやってやる!


2時間後


「ひっ…ふ…も、もう…むり…げんか…」


「はぁ…はぁ…くっ…」


100週を超えたあたりでルシュが倒れた、ルシュ!お前の死は無駄にはしない!くそ!ロディ先生の悪魔!外道!


「ふむ、ルシュ君はここで終わりだね、まだ子供にしてはかなり体力がある方だ。お疲れ様」


「ぜぇ…ぜぇ…くそっ…200周行けなかった…!」


「それが当たり前だよルシュ君」


「…?でも先生は走れって…」


「確かに走れとは言ったけど、必ず完走しろとは言ってないよ」


「な…そんなぁ…じゃあ何のために200周走れって言ったんだよ…」


「限界を知るためだよ、君たちのね」


「限界…?」


「そう限界さ、君たちの限界を知っていれば、僕も何処までやっていいか分かるからね」


「へぇ…じゃあ走るのはこれで最後なんだな…」


「安心してる所悪いけど、ランニングは毎日やるよ?」


「ええ…まじかよお…」


「ランニングは体力作りにもってこいだからね、頑張って」


「はぁ…それにしてもリュートはまだ走ってるのか?あいつ化け物かよ…」


「ふふ、そうだね。あの子に関しては見た目で判断しない方がいい、成長速度も適応力も全て人間の域を超えてる。まさに勇者になる為に生まれたような存在だ」


「はは、あいつには勝てそうにないな」


「そうかな?案外君も必死に努力すればリュート君に追いつけるかもしれないよ?」


「ほんとかぁ?そんな未来想像出来ねぇ…」


「勇者の仲間になりたいのなら、それぐらいの意気込みで行かなきゃダメだと思うけど?」


「ぐっ、そうだな…ならいつかリュートも超えるさ!」


「うんその調子だ、じゃあリュート君に追いつけるよう腕立て500回ね」


「えっ…?嘘だよな?」


「嘘じゃないよ、さぁ頑張ってね、ああそれと腕立ては500回終わるまで帰っちゃダメだから」


「悪魔だ…!クソッタレー!」


えっ…なんかルシュが腕立てしてるんだけど、走るの終わったら俺もやらなきゃいけないのか?冗談だろ…


ロディ先生がこちらをみて微笑んだ、目が怖い


「ぜぇ…はぁ…ヒェッ…」


絶対俺もやらなきゃいけないやつだー!!!チクショー!!

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