第十二話
「えっと、その…はは…今日はいい天気ですね」
やべえ緊張するぅ!おいおい相手は子供だぞ、なに緊張してるんだ俺は!前世合わせて20超えてんのに子供に緊張してどうするんだよ…!
…でも王子と王女だよ、ハードル高ぇなおい!
「ふふ、そう緊張なさらなくてもいいのですよ?」
「そうですよもっと気楽に、ね」
「そ、そうですね。同年代の人と話す機会が無かったもので…少し緊張しちゃいました」
「あら、実は私達も同じですわ。立場的にお話するのが難しいらしくお友達も今はいませんの…」
「本当、友達作りぐらい自由にさせて欲しいぜ」
「ルシュお兄様、敬語忘れてますわよ?」
「おっとすみませんリュート様」
エリスは4歳だってのにしっかりしてるな…さすが王女様だ、まさか転生者?…なわけないか。転生者は俺だけでお腹いっぱいだよ
その点ルシュは元気が良さそうだ、気が合うかもな
「別に敬語じゃなくてもいいですよ?様もいらないですし、友達になるんです気楽に、でしょ?」
「本当…?いい?」
「ええ、その代わり僕も敬語じゃなくて普通に話してもいいですか?」
「もちろん!俺もルシュだけでいいぜ!いや〜疲れた〜敬語は堅苦しくて苦手なんだよなぁ…」
「ああ、それは同感だね…」
「全くルシュお兄様ったら…私もエリスだけでいいですわよ、それにしても…リュートは御噂通りお優しいのですね」
「そんな事ないさ、それよりエリスも楽に話していいんだよ?」
「私はこの喋り方が1番楽ですのよ、しっくり来るというか」
「お母様の喋り方と同じだからじゃないか?」
「そういえばルシュ達のお母さん今日は参加してないの?」
謁見した時も国王陛下1人だったし
「ああ今は病気で寝てるんだ、俺たち双子を産んだ後すぐに病気になっちまったらしくてな。調子がいい時もあるけどほとんど寝たきりなんだ」
「そうなんだ…ごめんそんな事聞いちゃって…」
「いいさ、いずれは良くなるよきっと」
「そうですわ、それよりリュートのお話をお聞きしたいわ」
「そうだ、噂では天才で神童、第2の勇者とか性格も勇者にふさわしい素晴らしいものだって聞いたぜ!」
誰だよそいつ、俺じゃないだろ絶対
「多分人違いだよ、僕その人知らないよ」
「え〜?じゃあ違うのか…でも同じ4歳とは思えないくらい大人っぽいし間違ってなさそうだけどなぁ」
「ええ、何か大人の雰囲気を感じますわ」
「ソンナコトナイヨ」
転生者だからね、精神年齢は20歳超えてるから雰囲気はどうしようもないなぁ…まぁほぼ素で話してるのもあるけど
「そういうルシュ達も4歳には思えないぐらいしっかりしてると思うけど」
「俺たちは王子王女として恥をかかないよう日頃から練習してるからな…無理やり(ボソッ)」
「なるほど、大変そうだね」
「まったくだよ、おかげで友達も出来ないしさぁ…まぁリュートが友達になってくれたしいいけどな」
「そうですわねリュートが最初の友達ですわ」
「へへ…照れるな」
「ふっ、じゃ改めてよろしくなリュート!」
「よろしくですわリュート」
「ああ!よろしく!ルシュ、エリス!」
リュート は 友達を 手に入れた !
テッテレー!
「そういやしばらく城で暮らすんだろ?城のこと色々案内するぜ」
「私も案内しますわ」
「ありがとう!じゃあよろしく頼むよ」
「任せとけ!」
「ルシュお兄様はあまり頼りになさそうですけどね」
「そ、そんな事ないぞ!」
「この前迷ってたじゃありませんか」
「うっ」
「ははは」
「笑うなよぉ」
「ふふ」
「ごめんごめん…ふふ」
「まったく…はは」
友達になれるか不安だったけど、心配いらなかったみたいだ。さて明日から勇者になるための訓練…頑張らなくちゃ…皆を…守るために
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