第2話 ♦燃えてしまう日
あの人の口から出た言葉によって燃やされた。
私の心が、燃えていく。紡がれた言葉が私を撃ち抜いて、傷口から命が流れ出していく。
熱く赤く命がうすれていく。
周囲から私に向けられる視線が体を貫いて、私を焦がしていく。
苦しくなって、乱れた空気が肺から不規則に抜けていった。
夜、やっと一人になって、必死に消火活動をするけれど。
燃えている炎を消して、焦げたところを切り落として、やけどの手当をするけれど。
暗闇にぽつんと蹲って、もう大丈夫と呟くけれど。
明日も頑張れると自分に言いきかせながら、それでも待ってはくれない明日を呪う。
密度の高い夜の闇が胸を締め付けてくる。
体に纏わり付いて離れない暗闇が、今度は熱を奪っていった。
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