第23話
庭の世界樹はどれも大きく育って実を付けている。地下に埋めてある魔結晶のせいか、地植えのせいか、うねうねしている蛇の様な雌のドラゴンのせいか、俺には全くわからない。
ただステータスを上げ、レベルを上げるため〈黄金の実〉を食すのが効率が良いと世界樹を植えただけだ。ゲームと同じ様に鉢植えにするつもりだったが実際、ここまで育つのに1年はかかると覚悟していた。地植えでなく鉢植えにしていたら、今頃どうなっていたか。とにかく、母さまには感謝しかない。
まぁ、余裕があれば鉢植えも始めてみよう。
また、カーライルの商店で果物購入のためにと市場を監視していたのだが、世界樹の実である〈黄金の実〉シリーズは出物が本当に少ない。知力の実は未だに1つしか見つけていない。
その希少な知力の実の種が、我が家の庭でぐんぐん育ち実をつけたのだ。
今朝方、ミーティスに知力の実をすり潰して食べさせてもらった俺はステータスの知力が上昇すると共に自分基準のレベルアップ条件をクリアした。
早速レベルアップだ。
庭に小規模とは言え世界樹の果樹園を持つ俺は調子にのってミックスジュースをミーティスに作ってもらった。
「旦那さま、みっくちゅじゅーちゅでございます」
………
いや、俺。発音悪かったかもしれないけどミックスジュースって言ったよね。ちょっと頭痛がする。
ミックスジュースであるべき飲み物にもネクタールLV1と吹き出しが付いていた。不老不死の秘薬、まだ若く熟成していない。
もちろん、哺乳瓶で飲まされる。ミーティスが意味深な体勢で俺にジュースを飲ませてくれた。
食後、俺は【スキル】ブルーフレイムと【スキル】エメラルドタブレットを発動した状態で何か変化がないかをステータスを開いて確認している。
ブルーフレイムは使用感から火属性と金属性だ。また、素早さと器用さにプラス補正がかかる。
エメラルドタブレットはマテリアライズ系のシールドかな、ただそこに溢れ出る土属性の壁で中空だと盾を形作り、解除すると消え行き何も残らない。戦闘中、小盾としてあるいは防壁として用いられる。
【スキル】ブルーフレイム
アルケミストの青炎
【スキル】エメラルドタブレット
実在しない緑玉の石板
これらの同時発動で石板に書かれている情報が閲覧可能となった。
12の秘蹟…
目で踊る文字を追いながら、俺はふっと青炎を消す。
この世のものとは思えない神気。
誰だ。。
「旦那さま」
…ミーティスか。ただ、その表情は今までに無く厳しい。
「ただならぬ者だとは存じておりましたが、もしやあなた様は魔神なのですか」
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