第4話サイコパスと家庭教師

 「皇太子殿下、はじめまして。私が魔法と勉学を教えることになりました、エドワードと申します。よろしくお願い致します。」

「ふむ、まぁよろしく頼む」

「ほほう、未だ五歳にも関わらず、だいぶ大人びていると陛下からお聞きしていましたが…どうやらその通りのようですね」

「世辞はいいからさっさと始めるぞ」

「承知しました。では、勉学から初めましょう。」

 


 そう言うとエドワードはおもむろに分厚い本を鞄から取り出した。表紙には「シルヴォード帝国」と書かれている。なるほど、皆が帝国、帝国と呼ぶから今まで知らなかったがこの国はシルヴォード帝国というらしい。



 「皇太子殿下はこれから帝国を導いていかなければならない存在。まずは帝国の歴史を簡単に勉強しましょう。」

「はいはい」

「では、この国は名をシルヴォード帝国と言います。基本的に我が国は、肥沃な大地で覆われており麦、トウモロコシ、ジャガイモがよく栽培されております。」

「なるほどねぇ」

「では次に、歴史について少しだけお話します。この地はもともとエルフ、獣人、ヒューマンと様々な種族が入り乱れていましたが、それを初代陛下であるガルシア=フォン=シルヴォード様がまとめなさった、とこういうことなのです」

「まぁだいたい理解した」

「この勉強の話は学院でも習うと思いますが予習がてらに、本国は皇太子殿下のように代々エルフが王位につくため政権は長く非常に安定しております。しかし、隣国とはかなり険悪で、たびたび小競り合いを行ってるという状態です」

「ふむふむ」

「分かって頂けたようですね、ようございました。では勉学はこれくらいまでにして魔法の練習に移りましょう」



 ふーん、隣国との仲はあまり良くないのか。

 これは王に付く甲斐があるってもんだねぇ。

 胸が高まって……アソコが勃ちそうだぁ……




「ではまずはこちらの本の一ページ目を読んで頂けますか?」

「いいだろう」



 表紙に「初心者の為の魔法」と書かれている本を開き眺めてみる。「ちっ、舐めやがって」と思わんでもないが、惑星によって魔法は微妙に異なるため、読み進めていく。



 この本によると魔法は体内の魔力を使って発動する。

 しかし、体内に魔力を宿すのはだいたい二、三十に一人ということだ。魔法は詠唱し想像することで発動する。要約するとこんなところか。



 「読んだぞ」

 「はい、では殿下がいつもされている魔力鍛錬を行いましょう。薄々お気付きかも知れませんが、魔力を持つ者は小さい頃から訓練することによって、自分の魔力を底上げすることが出来るのです。魔法の練習は魔力鍛錬をしっかり行った後でも遅くないでしょう」

「分かった、毎日してあげよう。」

「はい、では今日はこれで失礼致します。次回は魔法の訓練をさせて頂きます。」

「じゃあな」

「では、これにて」

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