第2話サイコパス生まれる
「おぎゃーおぎゃー」
「あらあら、元気な男の子なことねぇ」
「お、おい。この金色の滑らかな肌はもしや…」
ふむふむ、どうやら無事、異世界転生は成功したようだ。何度も経験してきたがやはり、泣くことしか出来ないのは何とも情けない。
取り敢えず自分の体を一通り撫で回してみる。
金色の肌に、髪の色は…短すぎてわからない。
耳は少し尖っているのか…?
「間違えない!この子はハイエルフだ!よくやった、よくやったぞメル」
「本当に美しい肌だわ。そして私似の青い瞳に青い髪。将来はイケメンくん間違えなしね!」
「そんなこと言ってる場合か!!」
「えぇぇぇーーーーん」
「ちょっとお父さん、いきなりそんなに大きな声出さないで。驚いて泣き出しちゃったじゃない」
「す、すまん」
なるほど、僕はハイエルフに生まれたのか。
そして、メルと呼ばれた僕を抱いてあやしているのが恐らく母であり、その横であたふたと落ち着きのないのが父である様だ。
全く、いつの時代も生んだ母親が冷静で、その側でバタバタと落ち着きがないのが父親というものらしい。
「次期皇帝はこの子に決めた!千年に一度生まれるかどうかのハイエルフならば誰も文句は言わんだろ!」
「それもそうですね。この子は私たちエルフにとっての上位の存在。多く人たちが尊敬の念を抱くでしょうから。」
どうやらこの時点で僕の皇帝就任は決まったみたいだ。自由に人殺しは出来ないが、まぁせいぜい貴族や平民をいたぶってやろう。
その後、僕は子供用のベッドに移され、決まったメイドがお世話しにくる日々が続いた。
メイドは茶色の整えられた長髪でそれに合わせたかのような茶色の瞳はヒューマンながら麗しく、今後ハーレムに加えてやってもいいと思う。
現時点でわかっていることを整理しよう。まず親がエルフ、自分がハイエルフであるように、ここはファンタジーの世界の可能性が高い、というかほぼ確実だ。体に魔力が流れているのもわかるし、時たまメイドが自分に向かって「洗浄」という魔法を使っている。
そして、僕が次代の「皇帝」であると宣言されたことからみると、この国は比較的軍事力が高い筈だ。なぜなら「皇帝」の起源は「始皇帝」に由来するものであり、「始皇帝」は諸侯を軍事力で屈服させたという歴史があるためだ。
まぁ今はこんな所くらいか。せいぜい昼寝と日向ぼっことメイドの乳を楽しませて貰おう。
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