こんなデレラに誰がした
イオリ
第1話 ありふれた恋物語
幕が上がる。始まるのはありふれた恋物語だ。
原石の真実は、磨き上げればより儚くも切ない煌めきを覗かせ、人々の
麗しい青年と美しい娘。出会ったその日に彼らは恋に落ちた。月明かりを証人に、2人は常しえの愛を約束する。片方は権勢を軽やかに
身分違いの罪に恐れを抱いた娘は、青年の許から走り去る。青年の目の前に残されたは、細く小さな足を包んでいた粗末な靴。青年はその靴を頼りに令嬢を探し求めた。
娘も名残を捨てきれずにいながら、しかし沈黙を貫いた。助けを求めず、逃げることもせず。心無い両親に痛めつけられ、薄情な婚約者に騙され
弱い立場の人間に救いがないことを、分かっていたからだ。
しかし不幸なことに、愛が芽生えてしまっていた。愚かではないものの、すでに娘は青年を愛してしまっていた……。
――――――――戯曲『灰かぶりの娘』前口上より
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます