揺れる
@kawagoeshun
第1話 憧憬
肌を刺すような寒風を巻き上げて、ギッギィーと黄色い車体が停まった。2月の早朝は、空気もキーンと澄んでいて、朝日も眩しいが、車内は人息れでムットする暑さだ。速水俊は、隣の列を横目で見ながら、後ろから押されながらドアに吸い込まれて、やっと吊革につかまった。まだ単線のホームは、屋根が途中で終わって、1号車から3号車までは、青空が眩しい。冬は寒風が吹きつけ、梅雨時は傘が必要だが、春を待つ2月も後半になると、冷たさも気持ちが良い。
毎朝7:10発 いつも2号車の1番目のドア 白線の前に並んでいる。隣の1号車の4番目に少し遅れて並ぶ。紺の制服に、真っ白い襟と白いカフスが眩しい。ポニーテールの黒髪が朝日に輝いている。
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