第32話邂逅、そして会敵の朝✗32
さて、それではアーサを実際どうしてくれようか。
アーサにどうして差し上げるのが、一番効果的なのだろうか。
そんなことは、考えるまでもない。
何故ならアーサ、君は既に私の手のなかにあるのだから。
それが何を意味するか、君は解っているのかな?
いや、解っていないからこそ、その余裕の姿なのだろう。
だが、しかし、もしかして。
先ほどまでも意趣返しとばかりに、見せつけているのだろうか。
前者であると思いたいが、後者ではないとも言い切れない。
アーサの内面における心象世界は、私でも計り知れないところがある。
それを言い出したら人間はみんなそうなのだが、そんなことはどうでもいいので割愛する。
いま考えるべきは、アーサのことについてだけだ。
アーサがいい子であるのは間違いない。
可愛らしく愛らしい、純真な子であることも識っている。
だからといって彼女が
私は、応えるべき答えを持っていない。
だからこそ、信じるんだ。
ひとはひとを、信じなければいけないんだ。
自分のなかに生み出した仮定という名の幻を信じなければ、ひとはひとのなかで交わり生きられない。
勿論にして無論、私はアーサと際限なく交わってイキたいので信じる以外の選択肢は存在しない。
私のなかにあるアーサという存在を、私の意志で信じるのだ。
たとえそれが、鏡に映った自分自身だったとしても。
というわけで心の整理がついたところで本題に移行。
アーサの真意がどちらであったとしても、私のやることに変わりはない。
何故なら過去は変えられないからだ。
既に固定された事実は、変質することはないのだから。
だからアーサ、君への愛情も欲望も、何もかわりはしないのだよ。
つい先ほどまでこの私の手によって、艶の滴るような声をあげていたじゃないか。
さんざん啼いて喘いで、私を大いに愉しまてくれたじゃないか。
当の本人はそんなこと、もうとっくに忘却の彼方だろうが。
アーサは良くも悪くも、過去にはこだわらない子なのだ。
それ故に、私は何度でも楽しみ愉しむことが出来るのだ。
なので、答えは簡単。
答えは、過去にもう出ているのだ。
さっきまで私がしていたことと、同じことをしてあげればいい。
さっきまでアーサがされていたことを、同じように再現してあげればいい。
そうすればアーサはまた籠のなかの
では方針も決まったところで、早速始めるとしようかな。
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