第21話邂逅、そして会敵の朝✗21
順調にアーサの思考は私好みに誘導されているようだ。
アーサを上手く口車にのせ陥穽にはめ込んだ手応えを得た私は、次のステップへと移行する。
「それではアーサ、
「なんで! なんでキルッチはそんな何食わぬ顔で状況を進めようとしてるのさ!」
アーサは言葉の勢いは変わらずとも、声量を必要最低限まで落として私に詰め寄る。
ああ、いいよアーサ。その調子だ。
もっと私に近づいてきておくれ。
そしてそのまま、もっと私を
「なんでと言われても答えはひとつしかないよ。だってほら、時間は有限だよ、アーサ」
私は口先ばかりはごく常識的な言葉を口にする。
「それは分かってるけど! ちゃんと分かってるけど! こんな間違った場面を正論で押し切ろうとしないでよ!」
流石だ、アーサ。いい勘をしている。
私の思惑を直感だけで見抜くとは。
そんなところも素敵だよ、と口にしたいのは山々だがここは一気に話を進めて畳み掛けよう。
「それは違うよ、アーサ。正論が適用されるということは、それはいまが正しい場面だということだ。正しいこということは、間違っていないということに他ならない。故に、
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