第25話 お嬢様…鈍いですね…
私は馬車を揺られながらふと気付きました。
「あ、タイガーファングの後始末をし忘れましたわ」
突然突拍子も無く呟くともう一度馬車の上に上がり、サルベージの魔法を唱える。
唱えた瞬間当たりに光が走り、タイガーファングがおよそ1000匹ほど…あ、それ以上が空中に集まられていますわね。
とりあえず、タイガーファングは解体をせずにそのままインベントリの中に収めました。
タイガーファングの毛皮は高値で売れるし、何よりコートや装飾品にすると貴婦人に大人気のファーコート、ストール、バックなどと幅広く活用出来るので後で紹介の工場に運びに行こうとウキウキしながら何に加工しようか考えながらまた戻りましたわ。
「また何をして来たのだ?」と不思議そうに第二王子に聞かれたので笑顔で「倒したタイガーファングの回収をしてきましたわ。タイガーファングの商品は商会でも人気商品ですので素材がタダで手に入るならその分、利益が出るので確保しました。」と説明しました。
すると呆れた顔で第二王子に見つめられてしまったので思わず少しムスッとしてしまいました。
だって、タイガーファングの毛皮がタダで手に入るなら誰だって回収くらいするでしょう?
因みに牙や爪も若い貴族に人気のアクセサリーに変わりますし、武器にもなります。
タイガーファングは、いろんなアクセサリーや武器に変わるので一匹で200万ゴールドの利益が出るコスパが良い魔獣です。
思わずニヤニヤして何を作ろうか考えているとユーリが「お嬢様…」と冷たい目線で私の方を見てきます。
まぁ、ご主人に対してなんて目線で見てくるのですか!!
酷いメイドだこと!!
まぁ、酷い顔をしている自覚はしているのでこの不敬はスルーして差し上げますわ。
ユーリの視線なんてどうでも良いくらい嬉しいのですもの。
あぁーピアスやイヤリングに加工するのも素敵になりそうですわ。
早く王宮に着いて研究がしたいですわね。
ウキウキしていると第二王子にクスッと笑われた。
何で笑われたのかしら?
そんなに気持ち悪い顔をしていたのでしょうか?
ユーリみたいに冷たい目線ではないので構わないのですが
「相変わらずルーティーは研究や商品開発が大好きだな。いつも楽しそうに新しいアイディアをノートに書いては実験をしている様に思う。」
「研究や商品開発は私の生き甲斐ですもの。いろんな事を考えているだけでとても楽しいですわ。でも、お金儲けをする事も大好きですわよ?」
「ハハッ、お前らしい考えだな。そんな所も好きだぞ?」
「あら、本当ですか?お世辞ありがとうございます。」
「お世辞では無いのだが…まあ今は分からなくて良い。その内分からせてやるから」
「んん?さようでございますか?」
「お嬢様…鈍いですね…」
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