第21話 あぁ、気持ちいい…モフモフ最高…

さぁ、挨拶をするべく使用人達には挨拶を済ませました。

これで思う事なくこの屋敷から旅立てますわ。

でも、最終確認で自分の部屋に向かいます。

一つやり忘れた事を思い出したので。

この部屋は小さな頃からずっと使ってる思い出の部屋。

楽しい事も辛い事も悲しい事も全部懐かしい。

でも、この部屋からやっと卒業出来る事が嬉しくて仕方がないですわ。

さて、さっさと要件を済ませましょうかしら?


私は指を鳴らし、結界魔法と隠匿スキルを解除した。

するとさっきまでの部屋には無かった一つの箱が出てきた。

この箱は緊急事態の時にのみ開ける為に、普段からインベントリでは無く、結界魔法で守り隠匿スキルで隠していました。


この箱は私のお母様の思い出の品と共にある生き物を封印していました。


久しぶりに会えるわね…


箱をゆっくり開けると中には小さく真っ白な狼が眠っていた。

そして、開けられた事によって封印は解かれてゆっくりと翡翠色の瞳を開けて大きな欠伸をする。

そして、眠そうに瞼を擦りながら箱を開けた人物の方を見て「ルーティー!!!会いたかったよルーティー!!!」と真っ白な狼がルーティーに抱き付いた。

彼の名前はミルク。

元々はお母様がテイムした使い魔で亡くなってから私と再契約した子供のフェンリルでずっと家族にバレない様に隠していた。

お母様は元々優秀な魔術師でテイマーな為、いろんな獣魔を育てていたけど、世間的にはこの能力は隠していた。

魔法やスキルがあるといろんな貴族にスキル【テイム】を悪用されない為にお母様のご実家まぁ王家と私達家族だけの秘密にしていた。

そして、お母様のスキルをそのまま受け継いだのです。

勿論、後妻親子はこの事を知りません。

知らせるつもりもありませんですわ。

あのお馬鹿さん達に利用されるなんてごめんですから。

フェンリルは特に神狼と呼ばれ高い能力と知能を持ち人間とも意思疎通出来るレア獣魔な為、悪い人達に狙われる事も多い為、緊急事態(私のストレスがMAXになり世界を破壊したくなる衝動が駆られる時)だけ私の意思で部屋から出して、広い平原に転移して一緒に遊びます。

そして、とっても癒されます。

モフモフ最高。

モフモフ神。

モフモフが居れば生きていける気がする。

そんな事を思ってしまうくらいミルクを愛しています。


緊急事態以外は基本箱の中で寝ているか結界が張られている私の部屋の中で更に隠匿スキルを使いのんびり過ごしています。

結界だけでも気付く人間は早々居ませんが念の為に厳重にしています。


我が子が危険な目に遭うなんて許さない…そんな奴居たらぶっ殺し…あら、失礼致しましたわ。

ついつい、我が息子が大切過ぎて失礼しましたわ。


基本ミルクは常に私の部屋の中に居るのでいつでも会えるのですが、仕事に集中したり、お茶会に参加している間どうしても構ってあげれない事から部屋に戻ってくる度に寂しがりますわ。

ミルクは子供でとっても甘えたさんなのでちょっと寂しくても「会いたかったー!!!」と抱きついてくれます。

もう…本当にこのモフモフったら…最高ですわ。

愛しくて愛しくて堪らなくなり、ついぎゅーっと抱き締めてしまいたくなります。

まぁ、既に抱き締めているのですけどね。

ミルクを撫でながらお家が今日から変わるから移動する準備をして欲しいとお願いすると直ぐに「分かったよ!!」と言い、魔法でマフラーに変身しルーティーの首元に巻き付きました。

インベントリは生き物は入れる事が出来ないので擬態して貰って一緒に出て行く事にしましたわ。


あぁ、気持ちいい…モフモフ最高…






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る