第17話 ざまぁですわ。
「要件をお伺い致します。」
シンプルに聴くとまた顔を真っ赤に起こり出して「婚約破棄とはどう言う事だ!!!」と怒鳴られました。
本当に五月蝿いですわね。
貴方の馬鹿ボンボンが言い出した事でしょうに…
「私から言い出した事ではございません。ルードヴィッヒ様がクルシュに運命の愛を感じ、一緒になりたいと仰ったのではありませんか?二人が結ばれる為の婚約破棄です。怒鳴られる理由が分かりませんわ。」
「二人の婚約に関しては構わない。しかし、二人が婚約した途端今まで取引していた際の割り引いていた税金の金額が増えているではないか!!スパニッシュ家との婚姻を機に減額が決まっていた筈ではないか!!」
「契約書をキッチリご確認ください。あくまでルーチェ商会は私の所有物でスパニッシュ家には一切関係ございません。この契約は私との婚姻関係がある場合のみ発生し、婚約破棄されましたらその契約も破棄されるのは当然ではありませんか?」
「そんな事は聞いてなかったぞ!!それなら婚約破棄は無しだ!!」
「それも難しく存じますわよ?ルードヴィッヒ様は婚約破棄の書類を既にサインしてくださいましたもの。その書類は提出させて頂きました。故に婚約破棄を破棄する事は出来ません。この件は国王陛下にも既に話は通しており、納得して頂いています。それに愛し合っている二人を引き離すなんて可哀想ですわ。愛息子を労ってあげて下さい。今のままでは憐れですわ。」
実は婚約破棄を突き付けられた日よりも前に書類は制作済みで、既に提出用の書類は用意出来ていたのでその日のうちにサインを貰って陛下に提出済みですわ。
抜かりはなくってよ。
どんだけ婚約破棄して貰う為に努力したと思ったのですか?
さあ、この親の七光り公爵はどんな反応をするのかしら?
「親の許可も無く出来ると思っているのか?」
「私とルードヴィッヒ様は成人済みです。親に婚約破棄の許可やサインは必要ありません。ただ政略結婚ですので筋を通す為にお伝えしたのであってマイスタン公爵様に許可を願う必要は無いと思います。」
法律的にそうなってます。
成人済みの男女は当事者の意思で好きに婚約も出来るし、破棄も出来ます。
ただ今回のケースは家同士の繋がり又は商会買収の為の手段としての政略結婚なので両家の問題ですので両家にも筋を通す必要があります。
まぁ、筋を通さないといけないと言う法律はありませんので書類だけでも問題はないのですけどね。
親の七光り公爵は悔しい顔をして言い返したいのに言葉が出てこない。そんな表情をして凄くニヤけそうになってしまいました。
ざまぁですわ。
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