ハズレ異能【蠅(はえ)】の俺が全てを復讐してみる
@meriisa
プロローグ
・シャロワ王国中心部の教会
今日は,7歳の子供達にとっては,とても大事な日だ。それは,『大虫神の儀』により貰える虫の異能が決まる日なのだからだ。
「おーい,エル」
と後ろから金髪を背中まで伸ばしていて美しい髪を持ち猫のような,釣り上がった目をし美少女とも言える,少女が元気良く走って来ている。
彼女の名前は,エスリエル・アリスは,僕と同じ上級国民であり,僕の許嫁である。
「走っちゃダメだよ,ぶつかったら大変じゃないか」
「ご,ごめんエルがいたからつい急いで来ちゃた」
と顔の前に手を合わせながら言いとても可愛らしい仕草をしていると思う。
「……そ,そんなことよりあっちの椅子にすわらない?」
急に話題をずらしてきたなと思ったがこれは,少しな…… アリスが指を差した方向には、誰も座っていない1番後ろの教会椅子があった。
「そうだね,ちょうど誰も座ってないしな」
1番後ろの教会椅子に座ると
「ねぇ,エル緊張しない?」
まぁ,僕も少し緊張している。でもどちらかと言うと家の期待に答えられるかどうかの方が心配だ。
「……そりぁ緊張するよ,だって人生を決める日と言っても良いからね」
「だよね〜,これで緊張しない人は,いなよね。……でも,『大虫神の儀』で貰える異能ってどんなものがあるのかな?」
『大虫神の儀』では,古くから使われている。虫の異能を受け取る,儀式で異能を貰えないものは歴史上では,いないらしい。
「そうだな1つ目は,『三感系』と言われ,視覚,聴覚,触覚を上げる異能。2つ目は,『変身系』と言われ,体の大きさや力,器官の大きさが変わる。(変身は,自分の好きな時に変えられる)3つ目は、『専門系』と言われ,その異能を貰うと即座に受け取った知識をマスターできる。4つ目は,『特殊系』と言われ,『五感系』,『変身系』,『専門系』以外の異能と言われてるな」
「すごいよ! エルは,やっぱり物知りなんだね!」
これくらいは,流石にわかるだろう,と思いながらも,何気に褒められる事は,嬉しいな。
「それでエルは,どんな異能が欲しいの?」
「そうなぁ,僕は,【
実際『変身系』>『三感系』>『専門系』>『特殊系』となるが『特殊系』は,未だ謎の多い系統でもあるから,一概にも言えないと言われているがな
「へ〜そうなんだ,じゃあ私もエルと似たような系統の異能があれば,母様と父様にも褒められるかも」
と嬉しそうに言う,まだ決まっていないのにこんなに呑気にしていて大丈夫なのかと思う。すると,いつのまにか
「あ,もう私の順番だから行かないと,じゃあまたね,エル」
「そうだな,良い異能が出る事を願うよ」
「ありがとう」
と言い水晶の場所へ向かう。
「おい,次は上級国民のアリス様だ。確かあそこの家は,【蟻】の異能の名家で代々異能が【蟻】らしいぞ」
「へぇー,そうなのか……ところで上級国民?ってなんだ?」
「そんなことも知らないのか…はぁ,上級国民って言うのは,代々異能が優秀な血統を持っている,家だ例えばケルイン家とかだな」
「ケルイン家ってあの昔,魔王を倒して英雄になった勇者様の末裔の家か?」
「ああ,そうだ他にも勇者のパーティに入っていた,三家を合わせ合計四つの上級国民がいる」
アリスが祭壇に登って水晶に手を触れると丸い黒い頭部の様な物が見え,頭部に浮かんでる文字があり,それを見た神父は,驚いた表情で
「こ、こ、これは、【
神父の言う声が教会内に響く。
「やっぱりアリスは,凄いな上級国民としてちゃんと血統を継いでて」
1番後ろの教会椅子に帰ってきたアリスにそう言う。
「そんなこと無いよ,ほら次は,最後エルの番だよ」
と言う,その顔は,少し赤くなっており少し照れているみたいだ。
「そうだな,じゃあ行ってくるよ」
と言い祭壇の上登っていると
「おい! あれってケルイン家次男のケルイン・エルスタリオ様じゃないのか?」
「ケルイン家ってあの決まった血統の異能は,ないがずっと最上位の異能を貰っているあそこか!?」
「ケルイン家と言えば『人類最強兵器』と言われる一家だよな?」
「ああ,そうだよ確か2年前にも長男のステースト様は,近接攻撃最強と言われる,【
「【蟋蟀】と言えば蟻と並んで上位クラスの異能じゃねぇか!」
と色々な声が聞こえてくる,そして手を翳して水晶を見てみると,蟻に羽が生えていて得体の知れない何かが写っていおり,頭部に浮かんだ文字を見ると,神父は,不気味な顔をし
「【
と言った。
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