第3話 家族の思い

 『未来型サービス:人生の遺産プロジェクト』事務所に


双信親子3人が訪れたのは

夕暮れの日差しが強い16時頃だった


佐竹和美の秘書である山田は

相談室に案内し

温かいお茶を出した


「はじめまして!

私が人生の遺産プロジェクト世話人の

佐竹和美と申します。


今回、私共のプロジェクトに

ご関心頂き、ありがとうございます!


先ほど、秘書の山田がお出ししたお茶は

静岡県のお茶の里の佐藤園の新茶で

私の恩師が勧めてくださった

大好きなお茶なのです・・


芽伸びして間もない若く柔らかな芽を使っており

香り、甘味、コクそして程よい品があり

良い渋みがまろやかさの中で

ひとつに溶け合っています

とても良い味なのですよ!

是非、お召し上がりください。」


「父さん!

とても美味しいね!」

息子である義也は、感激していた


「佐竹さん!

私達家族は、毎日お茶を飲みますが・・

これほど精錬されたお茶を飲むのははじめてです・・

本当に美味しいですね!

心がとても休まりました

ありがとうございます!


最近・・

身心とも疲れきっていて・・

休まる時間が全くありません


はっきり申し上げて・・

人生に行き詰まりを感じています


今回、未来型サービスに来させて頂いたのは・

息子の主治医である

霞が関総合病院院長の

相馬先生からのご紹介でして・・


何故先生がここに来るように言われたのか?

最初は理解できませんでした・・

しかし未来型サービスからの案内状を拝見し

私達夫婦はとても衝撃を受けたのです!


私達夫婦にとって

かけがえのない息子達


彼らがこれからの人生

どのように歩んでいくのか?

親として、しっかり向き合い・寄り添っていきたい・・

私達夫婦は子供達を心から愛しています・・


しかし最初に申し上げますが

私達夫婦の余命はあと3年なのです。。

時間がありません・


この3年間で

彼らに何をしてあげたらよいのか?

私達が死んだ後・彼らが頼れる親戚が

まわりにいない中・・


私達家族に対して

「未来型サービス」が何をして下さるのか?

詳しくお話を伺えますか?」


「勿論です!

必ずお力になれると思います!」


佐竹秘書の山田が

双信氏に資料を手渡した




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