学園のアイドルと隠れ美少女に手を出したら、ベタ惚れされた
佳奈星
第1話 可憐少女に頼られたら放っておけない
放課後、俺、
勉強が家で出来ないという訳ではない……それでもこんな時間まで一人で学校に残っているのは、俺が一人暮らしをしているからだ。
両親は健在で国内在住、本来一人暮らしなんてあり得ない環境だが、進学したここ
しかし、生活するのに電気代やら光熱費が
ああ、もう教室内の方が外よりも明るいらしい……あと1時間くらいで閉門だろうなどと考えていると、開いた扉から入ってくる生徒が俺に近寄ってきたことが足音でわかった。
「安本くん……帰ってなくて良かった」
「何だ?
その女子生徒は
クラスではあまり目立たないものの、見た目だけなら五本の指には入る容姿を兼ね備えている。
薄い茶髪が夕焼けに溶け込んで、安心する顔が奥ゆかしい。
「その……言いにくいんですけど……」
「ああ、何だろう」
二人きりの教室、頬を赤らめた異性が話し出すまでそう長くはなかったが、俺は察した。
そういえば、告白にはもってこいのシチュエーションだよな、この時間。
どうして
ただ、遂に俺にも彼女ができる時が来たのだと胸をなでおろしていた。
これで……やっと
くぅ~っ、長かったな。
……なんて、心の中で盛り上がっている矢先、栗野は話し始めていた。
「その、さっきですね……いつも通り電車で帰ろうとしたら、定期券が期限切れていたらしく……乗れませんでした」
何言っているんだこいつは。
はあ、期待した俺がバカだったようだ……栗野はただ
納得いかないな……。
「財布も忘れてしまって……」
「判ってるよ。はいはい、幾ら?」
「え? いえ、お願いしたいことはそうではなく……」
「は?」
栗野は手を振って否定の念を示した。
俺の読みはどうやら的外れだったという事らしい……無駄に恥をかいた気分だ。
だったら、何をお願いしたいのか簡潔にお願いしたいね。
「あの……確か安本くんって、一人暮らしですよね? よろしければ、泊めていただけませんか?」
「ん? んんん? 何を言っているんだよ、お前」
栗野を泊める? 何処に? 俺の家? いやいや、どう考えても問題しかないだろ。
栗野の親が警察へと捜索届けを出して、俺は未成年誘拐の罪で逮捕されるというビジョンが頭に浮かんだ。
「ダメに決まっているだろ。俺に何か
「え? いえいえ、何のことですか?」
「何の事かは俺が訊きたいよ。大体、俺の家に
「全然そんなつもりはありませんから! え、もしかして安本くんは、私を泊めたら襲ってきちゃうんですか?」
「襲う。だから、ダメだ」
しかし、次には熱の入った言葉を投げかけてきた。
「そんな! だったら、どうすればいいんですか? もうお母さんには友達の家に泊めてもらうって連絡しちゃったんです」
「え、じゃあ同性の友達にお願いすればいいじゃないか。そもそも俺は友達じゃないだろ」
「ひっ……」
「ひ? 何だよ」
「ひどくないっ、ですか? 私は友達だと思っていたのに……」
本当に栗野との接点なんてあまりないのに、友達だと思われていたとは……もしかして、小・中学校で一緒だった? いや、そんな事はない筈だ……記憶には自信があるし、
「待て、栗野と話したことなんて数えるくらいしかないと思う……」
「
「修学……? それってまだ先の話だろ?」
確かに栗野の話は間違っていないが、それで同じ班になったから友達? そんなわけ……。
もう既に、修学旅行が終わって、それなりに話し合った仲ならわかるけどさ……やっぱり、変だよな。
「それでも、行きたい場所とか話し合った仲じゃないですか」
「それはそうだけど、それでお泊りしてもらうっていうのは……おかしくね? なんか、家に帰りたくないから都合よく一人暮らしの俺にお願いしているように聞こえる」
「そんな事ないです……よ?」
俺の指摘が
それだけならまだ
「何故目を
「もー! 本当は同性の友達にお願いしたのにドタキャンされたんですよ! 泊めてくれるって言ったのに、更に急な予定を優先されたんです! 私だって、傷ついているんです。女子がお願い事しているんですから叶えてあげたらいいじゃないですか!」
友達がバックレてしまった、と……確かに
「おっ、とうとう正体を現したな。素直に
「財布忘れたのは本当なんですよ……」
ふむふむ……成る程、事情は判った。
つまり、俺の
俺は既に襲うと宣言したぞ……それでもお願いしてくるってことはそういうことだよな?
「あ、そうだな……栗野って、
「ばっ、馬鹿にしないでください! そんな訳ないでしょう」
「じゃあ、
「ばっ、馬鹿にしないで……ください! そんな訳ないで……しょう」
今度は顔を真っ赤に染め上げて恥ずかしそうにそう言った。
どっちだよ! マジで!
「真面目に答えてくれ……俺も真面目だから」
「処女です……そんな、彼氏だっていたことないのに、酷いですよ……」
そっか、彼氏いたことないのか……って知らんがな。
しかし、ここまで性に弱い子だとは思わなかった。
これで押し倒しても、マグロじゃなぁ……どうせなら、体力ある女の子と汗だくになりながら一晩中……みたいなことを考えてしまう。
だから、なんか……興奮が冷めてしまった。
「はあ、わかった。千円あれば流石に足りるだろ。ほら、これで帰れ」
俺は自分の財布を開き千円札を渡すと、栗野は驚いた顔をした。
「ちょっと、恥ずかしいこと訊いておいて、なんなんですか?」
「いや、帰りにくいのはわかったけど、ドタキャンは仕方ないだろ。あ、仕方ないって言っても、そいつはもう友達だと思わない方がいいぞ。運が悪かったと思って、親にありのまま説明すればいい」
「なんで真面目に返すんですか? 私は、ここまで恥ずかしい思いをさせておいて放置するんですか、と言っているんです!」
なんだこいつ……つまりはそういった気分になってしまったという事だろうか。
知るか……帰って一人ですればいい。
「怖いですよ……後から何を要求してくるつもりなんですか?」
ああ、勘違いしていた。
まあ、帰る事には前向きになってくれて良かった……と思うべきだろう。
しかし、どうしようか。
「じゃあ、千円返したりしなくていいから、一回胸揉ませてくれないか? それで全部チャラだ」
以前、先輩から聞いた事があった……なんでも、脱がないで布の上から胸を揉むなら、この
尤も、検証によればCカップ以下である限り適用される
最近の女子はどいつもこいつも
「なっ、成る程……そういうことなら、それで」
そういって、両肩を後方へと動かし胸を突き出すように強調した。
おいおい、やる気満々だな……ある程度覚悟していたという事か。
決して大きくはないが、確かに存在があるソレに、俺の
いっ……良いんでしょうか?
「あっ、ごめんなさい。
謝られると、悪いことをしている気がして、そんな
「いや、それは大丈夫だ。そこまで求めてない」
「じゃ、あ……ちょっと待ってください。ブラ外しますね……」
「お、おう」
いや、これは……だって、さ、
栗野はブレザーとカーディガンを脱いで、その後自分のシャツの第一ボタンを外し自分の腕を忍ばせ
ヤバい……これは、ヤバい。
バカな男子どもが女子更衣室覗きたいという欲求を口にした時、何が楽しいのか理解できなかった俺だが、少し理解に
いや、その恥ずかしがりながら頑張って自分の服の中をまさぐる構図が素晴らしいのだ。
金具が中々外れず苦労している……良いものだな。
なんとか取り外したブラを胸元から引っこ抜き、カバンに引っ込めたが……色が見えてしまった。
「それでは……どうぞ」
そして、先ほどと同じく胸を突き出すように向けた。
さっきよりも、若干大きく見えるが、それでもまだ小さい……いや、それを気にしているのだろうかニヤつきそうな表情を我慢している栗野の顔が可愛い。
「それでは、失礼します」
俺はこの日、天へ上った気分になった。
一回? 手を離すまでが一回に決まっているだろ。
シャツの上からなのだし、当然じゃないか。
距離が近いからか、
恥ずかしながら手で顔を隠し始めた時、俺は興奮を隠しきれずガッツリ掴んでしまって、それに反応した栗野が遠ざかったので、そこで終わった。
最後に栗野はブラを付け直そうともせず、顔を見られないように隠しながら走って逃げ帰ってしまった。
そして、同時に俺は栗野を好きになってしまった……こんな事をされて惚れない奴はおらん。
家へ連れ込もうとしなかったのを悔いた……マグロでもいいじゃないか。
スキンシップでオキシトシンが分泌された
俺はこの時、
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