カクヨム激情

大橋博倖

第1話 カクヨムVSラウンド1

「カクヨムと私とどっちが大事なの! 」

「悩むまでもないカクヨムだ」

「もちろんわた……はい?? 」

「しょせん君が差し出すモノは穴一つに過ぎない、翻ってカクヨムはどうだ! 」

「何故、いつから?! 」

「無限のフリーコンテンツ、読書とは人生体験の拡張だ! 無限の世界と一穴、何を根拠に張り合ったんだ? 」

「いやー! カクヨム殺して私も死ぬ!! 」

「待て落ち着け、どうやって殺す」

「そうよエニアック、奴さえ消してしまえば」

「無駄だ、別の候補が代替する」

「じゃあネットだわ! アーパネットの前、キューバ危機に介入して世界ごと焼き払ってやる! ふはは! 」

「それもムダだ、人と世界が存在する限り、カクヨムもまた再生する」

「どういうこと、カクヨムとは不滅の存在なの?! 」

「違う、サーバを落とせば消滅する、でも違うんだ」

「さっきの彼のセリフを思い出せ、そして考えろ」

「もう彼じゃない」

「カクヨムとは」

「カクヨムとは」

「人間の飽くなき欲望、人の業そのものなんだ! 」

「そんな、つまり」

「人の世と共に常にカクヨム在り」

「それが世界の理だというの!? 」

「そうだそして摂理だ」

「では人は、カクヨムは永遠に救われないと! 」

「だからこそ」

「今こそ覚醒の時が来た」

「ハーレルヤ、ハレルヤ」

「ああ天上の光明が! 」

「人にカクヨム示される時」

「赦され、一なる帰還訪れん」

「人は帰る、思い出す、一なる存在に結ばれる」

「解き放て総てを捨て、さあ、旅立とう」

「有難うカクヨム」

「カクヨムに祝福を」

世界は終わり、カクヨムが残った。


終・劇

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