夜の果て※

頁を捲る音がやけに鼓膜に響くのは、黒が無表情で手渡してくる静けさのせいでしょうか。その静寂は知らずとぼくを、夜の果てへといざなうのです。


夢の果て

くすぶる思考が眠気と混ざり、酸素不足の脳が見せるものは、みぎわに佇み、困った笑みを浮かべたまま、曖昧な問いを投げる君の横顔。


「この果てに見えるものって何かしら」


ありきたりな答えを書きそうになったぼくは、慌てて解答欄を黒く塗りつぶし、笑ってみせるのです。


何かを変えたくても

そのナニカが分からないままだから


サイコロを振った先はいつも

……『フリダシニモドル』……



いつまでこうしていればいいのでしょうか


これは君の声なのか

それともぼくの聲?



開かない銀幕

演目はひとり芝居


狐疑的に 懐疑的に 猜疑的に


誰もいない舞台の上で


かすかに届く月明かりを頼りに


溜息混じりにいくつもの配役を


声色を変えながら演じるのです




嗚呼……


風凪にかわる真夜中の一寸


この夜の果て 夢の果てに


淡い淡い暗闇が

揺れる水面で魅せるものは



おぼろげに笑うきみ


仕業でしょうか




・・・


恋文 「月の光」より抜粋


イングヴェイ・マルムスティーン

「dreaming(tell me)」

https://youtu.be/ZjhQNZMpixM

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